「バナナムシ」の愛称で知られるツマグロオオヨコバイは、その鮮やかな黄色い見た目から観察や採集の対象として人気があります。
しかし、彼らは非常に素早く、近づくとすぐに逃げてしまうため、捕獲には少しコツが必要です。
この記事では、ツマグロオオヨコバイを効果的に捕まえるための具体的な方法と、採集時の注意点を解説します。
ツマグロオオヨコバイを捕まえる基本的な方法
ツマグロオオヨコバイは、普段、草木や低木の葉の裏にいることが多いため、それに適した方法で捕獲します。
捕虫網(スウィーピング)を使う方法
最も効率的で一般的な採集方法は、捕虫網(むしあみ)を使ったスウィーピング(振り払い採集)です。
- 道具の準備
細かくて軽い目の捕虫網を用意します。 - 場所の選定
ツマグロオオヨコバイが好む草むらや低木の葉が多く茂っている場所を選びます(アジサイ、クワ、イタドリなど)。 - 採集の実行
網の口を葉や茎の面に向け、素早く、大きく網を振って草木の表面を払います。
彼らは刺激を受けるとすぐに葉から飛び出すか、地面に落ちるため、それを網で受け止めます。 - 網の確認
振り終わったら、すぐに網の口を閉じ、中に落ちた虫を確認しましょう。
直接捕獲(手または小さな容器)
数匹だけを確実に捕まえたい場合は、直接捕獲を試みますが、難易度は高めです。
- 接近のコツ
ツマグロオオヨコバイは非常に警戒心が強く、光や影の変化にも敏感です。
動きを止め、ゆっくりと対象に近づきましょう。 - 逃げ道を読む
彼らは危険を感じると、名前の由来の通り横に這って葉の裏側へ隠れるか、すぐに飛んで逃げます。 - 網や容器で囲い込む
網の口や透明なプラスチック容器の口を、虫がいる葉ごと上からかぶせるようにして、逃げるスペースを無くしてから捕獲します。
捕獲の成功率を高める「時間帯」と「場所」
ツマグロオオヨコバイの生態を知ることで、捕獲の成功率を上げることができます。
採集に適した時間帯
- 日中の活動期
ツマグロオオヨコバイは昼間に活動しますが、素早く動くため捕まえにくいです。 - 夜間の灯火採集
夜になると、彼らは光に集まる習性があります。
灯火(街灯や自宅の照明)の周りの壁や地面を探すと、比較的簡単に見つけられることがあります。
ただし、飛んで移動するため、止まっている場所を狙いましょう。
採集に適した植物(食草)
ツマグロオオヨコバイは特定の植物に依存せず幅広い植物の汁を吸いますが、特に以下の植物の葉裏でよく見つかります。
- アジサイ
- クワ(桑)
- イタドリ
- 柑橘類やブドウなどの果樹
これらの植物の葉を下から覗き込むように探すと、見つけやすいでしょう。
ツマグロオオヨコバイ捕獲時の注意点
採集を安全かつ確実に行うために、以下の点に注意しましょう。
- 素早さ
ヨコバイの仲間は俊敏なため、捕獲する際は一瞬の素早さが鍵となります。
ためらわずに一気に動くことが大切です。 - 横歩きに注意
「ヨコバイ(横這い)」の名の通り、横移動でサッと逃げるため、進行方向を予測して網を構えましょう。 - 毒性・危険性
ツマグロオオヨコバイは人間に害を与える毒性はなく、咬んだり刺したりすることはありません。
安心して素手で触れることができますが、優しく扱うようにしましょう。
まとめ
ツマグロオオヨコバイを捕まえるには、捕虫網を使ったスウィーピングが最も効率的です。
もし網がない場合は、夜間に灯火の周りを探索するか、アジサイなどの葉裏を狙って素早く囲い込むのがコツです。
彼らの俊敏な動きと横歩きに注意しながら、ぜひ採集を楽しんでください。


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