厳しい寒さが続く冬の間、私たちの周りからパタリと姿を消す昆虫たち。
彼らは死に絶えてしまったわけではなく、それぞれの戦略で「冬眠(越冬)」をしています。
庭仕事や大掃除の最中に、じっとしている虫を見つけて驚いたことはありませんか?
この記事では、昆虫たちがどのようにして冬を越すのか、その驚きの生態と種類別のスタイル、そして見つけた時の注意点を解説します。
昆虫の冬眠とは?「休眠」のメカニズム
昆虫は外気温によって体温が変わる変温動物です。
気温が下がると動けなくなるため、多くの種が「休眠」という状態に入ります。
- 不凍液の蓄積
多くの昆虫は、体内の水分が凍らないように「グリセリン」などの糖アルコールを蓄え、氷点下でも細胞が壊れないよう準備します。 - 代謝の抑制
エネルギー消費を極限まで抑え、春まで飲まず食わずで耐え忍びます。
【種類別】冬眠する虫のスタイル一覧
昆虫によって、卵で越すか、成虫で越すかはバラバラです。
代表的な虫たちの越冬形態を見てみましょう。
成虫で冬を越す虫(そのままの姿で冬眠)
春一番に姿を現すのは、成虫のまま冬を越した猛者たちです。
- テントウムシ
日当たりの良い石の隙間や、木の皮の裏に集団で集まって暖め合います。 - キタテハ・ルリタテハ(蝶)
羽を閉じて枯葉に擬態し、じっと耐えます。 - スズメバチ
来年の女王蜂だけが、朽ち木の中などで単独で冬を越します。 - クマバチ
自分で掘った巣穴の中で冬を過ごします。
幼虫・さなぎで冬を越す虫
- カブトムシ
幼虫(イモムシ状)の姿で、土の中や腐葉土の中で過ごします。 - アゲハチョウ
さなぎの状態で、木の枝などにしっかり固定して冬を越します。 - クワガタムシ
種類によりますが、幼虫として朽ち木の中で数年過ごすものもいれば、成虫で越冬するものもいます。
卵で冬を越す虫
- カマキリ
泡のような卵のう(らんのう)の中で、数百匹の赤ちゃんが春を待ちます。 - バッタ
土の中に卵を産み付け、親は秋に一生を終えます。
意外な場所で見つかる!虫たちの冬眠スポット
冬の掃除やガーデニングで見つけやすい場所をまとめました。
| 場所 | 見つかりやすい虫 |
| 朽ち木・倒木の中 | クワガタ、コクワガタ、スズメバチ(女王) |
| 木の皮の隙間 | テントウムシ、ヨコバイ、クモ |
| 土の中・落ち葉の下 | カブトムシ(幼虫)、マイマイカブリ、ゴミムシ |
| 家の隙間・物置 | カメムシ、アシナガバチ、ガ |
冬眠中の虫を見つけたらどうする?
もし冬眠中の虫を起こしてしまった場合、以下の点に注意してください。
- 無理に動かさない
冬眠中の虫は代謝を下げているため、急に暖かい場所に置くとエネルギーを使い果たして死んでしまうことがあります。 - 元の場所に戻す
もし見つけてしまったら、そっと元の場所(土の中や木の隙間)に戻し、上から枯葉などを被せてあげましょう。 - カメムシや蜂には注意
家の中で見つけた場合、カメムシは刺激すると悪臭を放ちます。
また、冬眠中とはいえ、蜂に触れると反射的に刺される危険があるため、素手では触らないようにしましょう。
まとめ:虫たちの冬越しは命がけの戦略
普段は何気なく見かける虫たちも、冬の間は厳しい環境の中で、独自のサバイバル術を駆使して生き延びています。
次に庭や公園で、じっとしている虫を見つけた時は「頑張って冬を越してね」とそっと見守ってあげてください。
その虫たちが、春の訪れとともに再び活発に動き出すはずです。

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