春や夏によく見かけるテントウムシ。
しかし、寒くなるとパタリと姿を消してしまいます。
「テントウムシは冬の間、どこへ行ってしまうの?」「寿命で死んでしまうの?」と疑問に思う方も多いかもしれません。
実は、テントウムシは成虫のまま冬を越す「越冬(えっとう)」を行う昆虫です。
この記事では、テントウムシの驚きの冬の生態から、家の中に侵入してきた時の正しい対処法まで、詳しくご紹介します。
テントウムシは冬眠する?冬の生態と寿命
多くの昆虫は卵やさなぎの状態で冬を越しますが、ナナホシテントウやナミテントウといった馴染み深い種類は、成虫の姿で冬を越します。
冬の間は何をしている?
気温が下がると、テントウムシは活動を停止し、「休眠状態」に入ります。
- 食事
冬の間はエサ(アブラムシなど)を食べません。
秋のうちに体に蓄えた脂肪を少しずつ消費して生き延びます。 - 動き
エネルギー消費を最小限に抑えるため、ほとんど動かずにじっとしています。
テントウムシの寿命
テントウムシの寿命は、種類や環境にもよりますが一般的に2ヶ月〜半年程度です。
春に生まれた個体は夏から秋にかけて一生を終えますが、秋に生まれた個体は、冬を越して翌春に卵を産むという重要なミッションを持っています。
どこに隠れている?テントウムシが選ぶ越冬場所
テントウムシが冬を越すために選ぶ場所には、共通した特徴があります。
それは「温度変化が少なく、風雨をしのげる場所」です。
自然の中での越冬ポイント
- 石や倒木の下
地面の熱が伝わりやすく、冷たい風を遮ることができます。 - 樹皮の隙間
木の皮のめくれた部分に潜り込みます。 - 枯れ葉の裏
幾重にも重なった落ち葉は、天然の断熱材になります。
住宅街での越冬ポイント
人間が住む環境は、テントウムシにとっても絶好の避難所になります。
- アルミサッシの隙間
窓枠は外気の影響を受けにくいため、よく見つかる場所です。 - 物置や軒下
直接雪や雨が当たらない乾燥した場所を好みます。 - 電柱の看板の裏
意外な場所ですが、集団で見つかることが多いスポットです。
なぜ集団になる?「集団越冬」の不思議
冬のテントウムシを観察すると、一箇所に数十匹、時には数百匹が固まっていることがあります。
これにはいくつかの科学的な理由があると考えられています。
- 生存率を高める
多くの個体が集まることで、わずかながら温度を保つ効果や、乾燥を防ぐ効果があると言われています。 - 天敵への威嚇
テントウムシの鮮やかな色は「警戒色」です。
集団になることで視覚的に目立ち、「自分たちは毒(苦い汁)を持っているぞ」と鳥などの天敵に強くアピールします。 - 効率的な繁殖
春に目覚めた際、すぐに交尾相手が見つかるよう集まっているという説もあります。
家の中にテントウムシが入ってきた!原因と対処法
冬、暖かい日に掃除をしていると、カーテンの裏や天井の隅にテントウムシを見つけて驚くことがあります。
侵入の原因
テントウムシは、日当たりの良い白い壁や明るい色の建物に集まる習性があります(特にナミテントウに顕著)。
窓のわずかな隙間や、換気口、洗濯物にくっついて家の中に入り込んでしまうのです。
正しい対処法と注意点
家の中で見つけた場合、以下の点に注意して外へ逃がしてあげましょう。
- 素手で触らない
危険を感じると、関節から黄色い液体を出します。
これは強い悪臭を放ち、家具や服に付くと黄色いシミが取れにくくなります。 - 掃除機で吸わない
掃除機の中で液体を出されると、排気からしばらく異臭が漂うことになります。 - 捕まえ方
紙を下に差し込んで乗せるか、空きビンに誘導して外に出してあげましょう。
ポイント: 冬眠中に暖かい室内に入ると、テントウムシは「春が来た」と勘違いして体力を消耗してしまいます。見つけたら、外の植え込みなど、風の当たらない場所へ戻してあげるのがベストです。
春に向けて:テントウムシを守るメリット
テントウムシは、ガーデニングや農業において「天敵(益虫)」として非常に重宝される存在です。
- アブラムシ駆除
1匹のテントウムシが生涯に食べるアブラムシは数千匹にのぼります。 - 無農薬栽培の味方
冬を越したテントウムシが春に活動を始めることで、薬剤に頼りすぎない害虫管理が可能になります。
もし冬に庭で越冬中のテントウムシを見つけたら、掃除などで追い払わずに、そっと見守ってあげてください。
まとめ
テントウムシの冬は、春の繁殖に向けた「静かな準備期間」です。
成虫のまま集団で厳しい寒さを耐え抜くその生態は、小さなし体に秘められた生命力の強さを感じさせます。
この記事のポイントまとめ
- テントウムシは成虫のまま越冬する。
- 日当たりの良い隙間や石の下を好む。
- 身を守るために集団で固まる習性がある。
- 家で見つけたら、臭い液に注意して優しく外へ。


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