皆さんがよく知っている丸くて赤いテントウムシ。
その幼虫がどんな姿か知っていますか?
実は、成虫とは似ても似つかない姿をしており、「気持ち悪い」と感じる人も少なくありません。
しかし、その見た目とは裏腹に、テントウムシの幼虫は成虫の何倍ものアブラムシを捕食する、非常に頼もしい存在です。
この記事では、代表的なテントウムシの幼虫の見分け方を画像付きで解説し、その生態や、家庭菜園でアブラムシ対策として活用する方法をご紹介します。
テントウムシの幼虫はどんな姿?
テントウムシは、卵→幼虫→さなぎ→成虫という「完全変態」の昆虫です。
幼虫時代は種類によって様々な姿をしていますが、全体的に共通する特徴があります。
- 形状
ワニやイモムシに似た細長い形をしています。 - 色
主に黒や灰色で、黄色やオレンジ色の斑点があることが多いです。 - 足
3対の細い足があり、素早く動き回ります。
このワニのような姿が、初めて見る人には驚きを与えますが、アブラムシを大量に食べるためにこの形に進化したと考えられています。
代表的なテントウムシ幼虫の見分け方
ここからは、日本でよく見かける代表的なテントウムシの幼虫を、画像で比較しながら解説します。
ナナホシテントウの幼虫
- 見た目の特徴
体は黒色で、背中の両側にオレンジ色の斑点があります。
ワニのようなゴツゴツした姿をしており、動きが素早いです。 - 食性
アブラムシを捕食します。
1日に数十匹のアブラムシを食べると言われ、その食欲は成虫以上です。
ナミテントウの幼虫
- 見た目の特徴
ナナホシテントウの幼虫によく似ていますが、背中のオレンジ色の斑点がより大きく、全体的にずんぐりしています。 - 食性
ナナホシテントウと同様にアブラムシを主食とします。
様々な環境に順応するため、都市部の公園などでもよく見かけられます。
ヒメカメノコテントウの幼虫
- 見た目の特徴
体長が数ミリと小さく、黒い体に白い斑点があります。
他のテントウムシの幼虫に比べて、体が丸みを帯びています。 - 食性
小さなアブラムシを好んで食べます。
葉の裏など、見つけにくい場所にいるアブラムシも効率よく捕食してくれます。
幼虫を見つけたらどうする?育て方と活用法
家庭菜園やベランダ菜園でテントウムシの幼虫を見つけたら、それはアブラムシ対策の強い味方です。
- アブラムシ駆除を任せる
もし植物にアブラムシが発生している場合、テントウムシの幼虫は最も効果的な生物農薬となります。
殺虫剤を使わず、彼らにアブラムシを食べ尽くしてもらいましょう。 - 観察してみよう
幼虫がアブラムシを食べる様子や、さなぎになる過程は非常に興味深いものです。
食育や自由研究にも最適です。
幼虫を育てる上での注意点
- 殺虫剤は使わない
殺虫剤はテントウムシの幼虫も死なせてしまいます。
できるだけ農薬の使用は避けましょう。 - 餌の確保
幼虫は食欲旺盛です。
餌となるアブラムシがなくなると、共食いをしたり、別の場所へ移動したりすることがあります。
益虫と間違えやすい害虫の幼虫
草食性のニジュウヤホシテントウの幼虫は、アブラムシを食べる益虫の幼虫と間違えやすいので注意が必要です。
ニジュウヤホシテントウの幼虫
- 見た目の特徴
全身が黄色や黄土色で、黒いトゲトゲが生えています。 - 食性
ナスやジャガイモなどのナス科の葉を食害します。
葉の表面だけを食い荒らすため、白い網目状の模様が残ります。
まとめ
テントウムシの幼虫は、一見すると少し不気味に感じるかもしれませんが、その正体は「最強のアブラムシハンター」です。
庭や畑で彼らを見つけたら、大切に見守ってあげてください。
今回の記事を参考に、益虫の幼虫と害虫の幼虫を正しく見分け、自然の力を借りた安全なガーデニングを楽しんでくださいね。
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