「スズメバチはどんなものを食べるの?」「庭にスズメバチがいて困る…」
スズメバチの生態を知る上で、「何を食べているのか」は非常に重要なポイントです。
スズメバチの食性を理解することは、被害を未然に防ぐ対策や、効果的な捕獲器の作成に繋がります。
この記事では、スズメバチが何を食べるのか、その食性のユニークな特徴から、家庭でできる簡単な捕獲器の作り方まで、わかりやすく解説します。
1. スズメバチの食性は特殊?「成虫」と「幼虫」で全く異なる餌
スズメバチの食性は、成長段階によって大きく異なります。
この点が、スズメバチの生態を理解する上で最も重要なポイントです。
成虫の餌:エネルギー源となる「炭水化物」
私たちがよく目にする働きバチの成虫は、樹液、花の蜜、果実といった甘い液体を主に食べています。
これらは、飛び回るための即効性の高いエネルギー源となります。
特に、熟した果物(ブドウ、モモ、カキなど)はスズメバチの大好物です。
秋になると庭先の果物や、ジュースの飲み残しにスズメバチが集まってくるのはこのためです。
幼虫の餌:成長に必要な「タンパク質」
一方、巣の中で成長する幼虫は、体を大きくするためにタンパク質を必要とします。
働きバチは、他の昆虫(ハエ、アブ、イモムシ、アオムシなど)を捕獲し、肉団子状にして巣に持ち帰り、幼虫に与えます。
幼虫はこの肉団子を食べて成長します。
2. なぜ成虫は肉を食べないのか?「栄養交換」というユニークな仕組み
成虫は肉を消化する能力が低いため、捕まえた昆虫を自分で食べることはありません。
では、幼虫に与えるだけなのでしょうか?
実は、ここには驚くべき共生関係があります。
肉を食べた幼虫は、そのお返しとして、成虫が栄養として吸収できる消化液(アミノ酸液)を分泌します。
成虫はこの消化液を口移しで受け取ることで、活動に必要なエネルギーを得ているのです。
この「栄養交換(Trophallaxis)」と呼ばれる仕組みは、スズメバチが社会生活を営む上で欠かせない行動です。
3. スズメバチの生態からわかる!効果的な捕獲器の作り方
スズメバチの食性を理解すれば、効果的な捕獲器の「誘引液」も簡単に作れます。
成虫が好む甘い匂いを利用することがポイントです。
準備するもの
- 500ml〜2Lのペットボトル
- カッター、ハサミ
- 誘引液(以下のいずれか)
- 焼酎(約100ml)+酢(約10ml)+砂糖(約20g)
- ジュース(ブドウやリンゴなど)+酢(少量)
- 日本酒(約100ml)+ハチミツ(大さじ2)
作り方
- ペットボトルの上部をカッターで切り取ります。
- 切り取った上部を逆さにして、ペットボトルの本体に差し込みます。
- ホチキスやテープで固定し、中に誘引液を入れます。
- 軒下や木の枝に吊るします。
ポイント: 酢を加えることで、ミツバチが誘引されるのを防ぎ、スズメバチに特化した捕獲器になります。
- 誘引液は作り置きせず、2〜3日ごとに交換することで、新鮮な香りを保てます。
まとめ
スズメバチは、成虫と幼虫で全く異なる餌を必要とします。
- 成虫
活動エネルギーとして樹液や果実などの甘い炭水化物 - 幼虫
成長のための昆虫などのタンパク質
この食性の違いを理解することで、スズメバチの活動パターンや、家庭での安全対策に役立てることができます。
秋に熟した果物を放置しない、飲み残しを放置しないなど、身近なところからスズメバチ対策を始めましょう。
もし、ご自宅の周りにスズメバチの巣ができてしまった場合は、無理に自分で駆除せず、必ず専門の駆除業者に相談してください。
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