スズメバチの生態から駆除まで解説!安全に過ごすための対策

スズメバチ スズメバチ

「スズメバチ」と聞くと、その凶暴性や毒性から恐ろしいイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
特に夏から秋にかけては活動が活発になり、庭先や山中で遭遇する機会も増えます。
しかし、スズメバチは単なる「危険な害虫」ではありません。
正しい知識を持つことで、被害を未然に防ぎ、共存することも可能です。

この記事では、スズメバチの種類、危険性、刺された際の対処法、そして安全な駆除・予防方法まで、知っておくべき情報を網羅的に解説します。

スズメバチの基礎知識|種類と見分け方

日本にはスズメバチ属、クロスズメバチ属など、複数の種類のスズメバチが生息しています。
それぞれの特徴を知ることで、危険度を判断する手助けになります。

主要なスズメバチの種類

  • オオスズメバチ
    日本最大級のスズメバチで、体長は4cmを超えることもあります。
    攻撃性が非常に高く、毒性も強いため、最も危険な種類とされています。
    巣は主に地中や木の洞など、閉鎖空間に作られます。
  • キイロスズメバチ
    都市部でもよく見られる種類で、刺傷事故が最も多いとされています。
    体は黄色と褐色の模様があり、軒下や屋根裏など、様々な場所に巣を作ります。
  • コガタスズメバチ
    庭木や生け垣に巣を作ることが多く、比較的おとなしいとされますが、巣を刺激すると攻撃してきます。
    巣は最初、逆トックリ型で、成長すると球形になります。
  • ヒメスズメバチ
    体は大きいですが、攻撃性は比較的弱いとされています。
    ただし、巣の入り口が開放的であるため、注意が必要です。

スズメバチの巣は種類によって特徴が異なり、見分けるための重要な手がかりとなります。
例えば、オオスズメバチの巣は波模様のある釣り鐘型で、キイロスズメバチの巣は貝殻模様の球形をしています。

スズメバチの危険性|なぜ怖いのか?

スズメバチが危険視される理由は、その毒性と攻撃性にあります。

毒性とアナフィラキシーショック

スズメバチの毒には、激しい痛みや腫れを引き起こす成分に加え、組織を破壊したり、心臓や呼吸器に麻痺を引き起こす可能性のある複数の化学物質が含まれています。

特に注意すべきは「アナフィラキシーショック」です。
一度刺されると、体内に毒に対する抗体が作られます。
二度目に刺された際、この抗体が過剰に反応することで、全身に蕁麻疹、呼吸困難、意識障害などの重篤なアレルギー症状を引き起こし、最悪の場合、死に至ることがあります。
過去に刺された経験がある方は、特に警戒が必要です。

執拗な攻撃性

スズメバチは毒針を何度も刺すことができ、ミツバチのように針が抜けることはありません。
さらに、興奮したスズメバチは「警報フェロモン」を撒き散らし、仲間を呼び寄せて集団で攻撃してきます。
巣に近づくだけでなく、黒い服や強い匂いにも反応し、攻撃的になる習性があるため、注意が必要です。

スズメバチに刺されたら?応急処置と病院に行くべき症状

万が一スズメバチに刺されてしまった場合は、以下の手順で迅速に対処しましょう。

  1. 速やかにその場から離れる
    追加の攻撃を防ぐため、まずは低姿勢で静かに、巣から遠ざかります。
    走ったり、大声を出したりするのは逆効果です。
  2. 毒を絞り出し、流水で洗い流す
    された部分を指で強くつまみ、毒を絞り出します。
    水道水などの流水で患部をよく洗い流すことで、毒を薄める効果が期待できます。
    口で毒を吸い出すのは絶対にやめましょう。
  3. 患部を冷やす
    保冷剤や氷水などで患部を冷やし、毒の広がりを抑えます。
  4. 病院を受診する
    応急処置をしたら、速やかに医療機関を受診しましょう。
    特に以下のような全身症状が見られる場合は、迷わず救急車を呼び、専門医の診察を受けてください。
    • 全身の蕁麻疹、かゆみ
    • めまい、吐き気、嘔吐
    • 呼吸困難、喉の詰まり
    • 意識がもうろうとする

自分でできるスズメバチ対策|予防と駆除のポイント

スズメバチとのトラブルを避けるためには、日頃からの対策が重要です。

予防策

  • 服装の色に注意
    スズメバチは黒い色に強く反応します。
    山や草木が多い場所に行く際は、白や黄色など明るい色の服装を心がけましょう。
  • 強い香りを避ける
    ヘアスプレーや香水、柔軟剤など、強い香りはスズメバチを刺激します。
  • 捕獲器の設置
    活動が活発になる前に、ペットボトルで作った捕獲器を庭先に設置することで、女王バチや働きバチを捕獲できます。
  • 忌避スプレー・木酢液
    ズメバチが巣を作りそうな場所に忌避スプレーをまいたり、木酢液を吊るすことで、スズメバチを寄せ付けない効果が期待できます。

巣の駆除

スズメバチの巣は、その種類や大きさ、場所によっては自分で駆除できる場合がありますが、専門業者への依頼を強く推奨します。

特にオオスズメバチやキイロスズメバチの巣は危険度が高く、素人が安易に手を出してはいけません。

自分で駆除する際の注意点

  • 時間帯
    ハチの活動が鈍る日没後から夜間に駆除を行いましょう。
  • 服装
    白い防護服や長袖、手袋、長靴などを着用し、肌の露出をなくしましょう。
  • 殺虫剤
    ハチ専用の殺虫剤を準備し、2〜3本用意しておきます。
    風上から2〜3m離れた場所から、巣に向かって噴射します。
  • 自治体への相談
    自治体によっては、駆除費用の補助制度がある場合があります。

スズメバチは「益虫」としての側面も持つ

スズメバチは危険な存在として知られていますが、実は生態系において重要な役割を担う「益虫」としての側面も持ち合わせています。

  • 害虫の捕食
    スズメバチは、農業被害をもたらすイモムシやアオムシ、ハエなどを捕食します。
    農作物を守る上で、間接的に人間に貢献しています。
  • 生態系の維持
    スズメバチは食物連鎖の頂点捕食者であり、他の昆虫の個体数調整に貢献しています。
    スズメバチがいなくなると、生態系のバランスが崩れる可能性があります。

まとめ

スズメバチは、その危険性から恐れられがちですが、正しい知識と対策を持てば、被害を未然に防ぐことができます。
不用意に近づいたり、刺激したりしないことが何よりも重要です。
もし、自宅の周りに巣ができてしまった場合は、無理をせず専門業者に相談することを強くお勧めします。
スズメバチの生態を理解し、安全に共存していくための参考にしてください。

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