【ルリタテハの捕まえ方】素早い成虫を網に入れるコツと「樹液トラップ」の作り方

ルリタテハ チョウ

「目の前にルリタテハが止まったのに、網を構えた瞬間に逃げられた!」

「飛ぶのが速すぎて追いかけられない……」

美しい瑠璃色の帯模様を持つルリタテハ。見かけることはあっても、実際に捕まえるのは意外と難しい蝶です。
彼らは警戒心が強く、飛行スピードもトップクラス。

しかし、ルリタテハ特有の「習性」を利用すれば、捕獲率はグッと上がります。

この記事では、初心者でもルリタテハを確実に捕まえるための場所選び、網の振り方、そして効果抜群の「バナナトラップ」について解説します。


ルリタテハが見つかる「場所」と「時期」

まずは敵を知ることから。ルリタテハは花にはあまり集まりません。
彼らが好む場所を知ることが第一歩です。

どこにいる?(ポイント選び)

ルリタテハが好むのは、以下のような場所です。

  • 雑木林の樹液
    クヌギやコナラなど、カブトムシが集まるような樹液が出ている木。
  • 日当たりの良い林道
    地面に降りて日向ぼっこ(日光浴)をしていることが多いです。
  • 腐った果実や獣糞
    地面に落ちて発酵した柿などの果実や、動物のフンにも集まります。

【重要】花畑を探してもいません

アゲハチョウなどとは違い、ルリタテハは花の蜜を吸うことはめったにありません。「樹液」か「地面」が狙い目です。

いつ捕れる?(時期)

ルリタテハは成虫のまま冬を越すため、真冬以外はほぼ一年中見ることができます。

  • 春(3月〜5月)
    冬眠から目覚めた個体が飛び回ります。羽が少しボロボロのことが多いです。
  • 夏〜秋(6月〜10月)
    新しく羽化した、色の鮮やかな個体が狙えます。特に秋口は数が増えるのでチャンスです。

追いかけるのはNG!「待ち伏せ」作戦

ルリタテハ捕獲の最大のコツは、「追いかけないこと」です。

習性:テリトリー(縄張り)意識を利用する

ルリタテハのオスは、特定の場所を見張る「占有行動(せんゆうこうどう)」という習性があります。

もし逃げられてしまっても、その場から動かずに5分〜10分ほど待ってみてください。
かなりの高確率で、また同じ場所(同じ枝や地面)に戻ってきます。

網の振り方のコツ

  1. 影を落とさない
    蝶は上からの影に敏感です。太陽の位置を確認し、自分の影が蝶に重ならないように近づきます。
  2. 下からすくい上げる
    地面や木の幹に止まっている場合、上から網を被せると隙間から逃げられやすいです。
    可能なら横や下からアプローチします。
  3. 水平に振る
    空中にいるときは、縦ではなく横(水平)に網を振る方がヒット率が高まります。

最強の武器「バナナトラップ」の作り方

どうしても見つからない、あるいは高い木の上にいて届かない場合は、「樹液トラップ(バナナトラップ)」を仕掛けて向こうから来てもらいましょう。

材料と作り方

  1. バナナ:1〜2本(皮ごと適当な大きさに切る、または潰す)
  2. 焼酎:適量(安物でOK)
  3. 砂糖:適量
  4. ドライイースト:少々(あると発酵が早まる)

これらをジップロックなどの袋に入れて揉み込み、半日〜1日ほど暖かい場所に置いて発酵させます。
強烈な甘い匂いがしたら完成です。

仕掛け方

  • ストッキングやネットに入れて木に吊るすか、直接木の幹に塗りつけます(※)。
  • ルリタテハだけでなく、カブトムシやクワガタ、カナブンなども集まってきます。

※注意とマナー

公園や私有地など、場所によってはトラップの設置が禁止されていることがあります。必ずルールを確認し、使用したトラップやネットは必ず回収して持ち帰りましょう。


注意点:危険な生き物に気をつけて

ルリタテハが好む「樹液」の出る場所には、危険なライバルも集まります。

  • スズメバチ
    樹液酒場には必ずと言っていいほどスズメバチがいます。
    もしスズメバチがいたら、無理に近づかずその場を諦めてください。
    黒い服は攻撃されやすいので、白っぽい服装で出かけましょう。
  • マムシ
    林道の草むらや、湿った場所にはマムシがいることもあります。
    長靴を履くと安心です。

まとめ:ルリタテハは「待つ」が勝ち

ルリタテハを捕まえるための重要ポイントをおさらいします。

  1. 花ではなく「樹液」や「地面」を探す。
  2. 逃げられても追いかけず、その場で数分待つ(戻ってくる!)。
  3. バナナトラップを使えば、効率よく呼び寄せられる。

素早く飛び回るルリタテハを網に入れた瞬間の喜びはひとしおです。
羽の裏側の地味な色と、表側の鮮やかな瑠璃色のコントラストを、ぜひ手にとって観察してみてください。

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