ミツバチの捕まえ方|安全に蜂を捕獲する完全ガイド

ミツバチ ミツバチ

庭やベランダでミツバチの群れを見つけ、「どうすればいいのか?」と困った経験はありませんか?
ミツバチは、私たちの食料生産に欠かせない重要な益虫であり、むやみに駆除するのではなく、安全な方法で捕獲し、適切な場所に移動させてあげることが最も望ましい対応です。
この記事では、ミツバチを捕まえるための具体的な方法と注意点について、初心者の方でも安心して取り組めるように、さらに詳しく解説します。


なぜミツバチを捕まえる必要があるのか?

ミツバチの捕獲が必要となる主なケースは、以下の2つです。

  1. 分蜂(ぶんほう)した群れの保護
    春から初夏にかけて、ミツバチは巣が手狭になると、新しい女王蜂が生まれるタイミングで、古い女王蜂が働き蜂の一部を連れて巣を分ける「分蜂」という行動をします。
    この時、一時的に庭木や軒下などに大きな球状の塊となってとどまることがあります。
    この分蜂群は、新しい巣を探している最中のため攻撃性は低く、このタイミングで捕獲し養蜂家などに引き渡すことで、ミツバチの群れを保護できます。
    これは、日本のミツバチの数が減少傾向にある中で、とても重要な生態系保護の一環となります。
  2. 趣味での養蜂(ようほう)
    自分でミツバチを飼育したいと考えている場合、養蜂家からミツバチの群れを購入する以外に、野生の群れを捕獲して飼育する「捕獲群」という方法があります。
    この方法は、費用を抑えられるだけでなく、自然のミツバチの生態を学ぶ良い機会にもなります。

いずれの場合も、ミツバチを傷つけず、私たち人間も安全に作業することが最も大切です。


ミツバチ捕獲のための準備物|安全な作業のための必須アイテム

安全にミツバチを捕獲するためには、事前の準備が成功の鍵を握ります。

  • 捕獲箱(待ち箱)
    ミツバチを誘引し、新しい巣として定着させるための専用の箱です。
    木製や発泡スチロール製のものがあり、市販されているものや、自分でDIYすることも可能です。
    ミツバチは清潔で乾燥した場所を好むため、内部をしっかりと清掃しておくことがポイントです。
    また、内側に巣の破片(巣屑)を少量入れておくと、ミツバチがより引きつけられやすくなります。
  • 誘引剤(ゆういんざい)
    待ち箱に塗布する、ミツバチを惹きつけるための薬剤です。
    市販の誘引剤には、レモングラスの精油や、ミツバチの女王蜂フェロモンに似た合成物質が含まれています。
    これらの香りは、ミツバチにとって非常に魅力的に感じられ、待ち箱を「最高の物件」として認識させる効果があります。
  • 防護服
    安全を確保するために最も重要なアイテムです。
    全身を覆う防護服、分厚い手袋、そして顔を覆うネットは必ず着用しましょう。
    ミツバチは温厚ですが、群れを守るために刺すことがあります。
    万が一に備えることが、安心して作業するための第一歩です。
  • 捕虫網(ほちゅうもう)
    分蜂した群れを直接捕まえる際に使用します。
    ハチを傷つけないように、網の目が細かいものが適しています。
  • ヘラやブラシ
    庭木などにできたミツバチの塊を、優しく捕獲箱の中に払い落とす際に使います。
    ハチを刺激しないよう、慎重に作業することが求められます。

ミツバチを安全に捕まえる具体的な方法

ミツバチを捕まえる方法は、主に以下の2つに分けられます。
状況に応じて最適な方法を選びましょう。

1. 待ち箱を使った捕獲方法|長期的な誘引を狙う

この方法は、ミツバチが自ら箱に入るのを待つ、比較的安全で穏やかな方法です。

  1. 最適な場所を選ぶ
    日当たりがよく、風通しの良い、地面から1~2メートルほどの高さの場所に待ち箱を設置します。
    ミツバチが水を飲みに来る場所(池や水たまりの近く)や、花がたくさん咲いている場所の近くを選ぶと、成功率が格段に上がります。
  2. 誘引剤を塗布する
    待ち箱の内部や入り口付近に、ミツバチの誘引剤を少量塗布します。
  3. 根気よく待つ
    設置したら、ミツバチが新しい住処として利用してくれるのを待ちます。
    設置から数日〜数週間で入居することが多いため、焦らず定期的に様子を観察しましょう。
    箱の周りを偵察蜂が飛び回り始めたら、入居の兆候です。

2. 分蜂群を直接捕獲する方法:緊急時の対応

庭木などにできた分蜂群を、その日のうちに捕獲したい場合に有効な方法です。

  1. 準備を万端に
    まず、必ず防護服を着用してください。そして、捕獲箱とヘラやブラシを用意します。
  2. 群れを箱に誘導する
    分蜂群の塊の下に捕獲箱を置きます。
    ヘラやブラシを使い、塊を箱の中に優しく払い落とします。
    この時、女王蜂が箱の中に入るように誘導することが最も重要です。
    女王蜂が入ると、働き蜂も自然と後に続きます。
  3. 捕獲完了
    すべての働き蜂が箱の中に入り始めたら、しばらく待ってから箱の入り口を閉じます。
    暗くなってから移動させると、飛び回っていたミツバチがすべて巣に戻っているので、より安全に移動できます。

ミツバチを捕まえる上での重要な注意点

  • 安全第一
    ミツバチは温厚な性格ですが、刺激を与えたり、危険を感じたりすると刺すことがあります。
    必ず防護服を着用し、無理な捕獲は避けましょう。
  • 種類を見分ける
    捕獲しようとしているのが、スズメバチアシナガバチではないか必ず確認してください。
    これらのハチは攻撃性が高く、大変危険です。
  • むやみに殺さない
    ミツバチは生態系にとって非常に重要な存在です。
    安易に殺虫剤をまいたり、駆除を試みたりすることは避け、捕獲・移動を優先しましょう。

まとめ

ミツバチの捕獲は、単にハチを捕まえるという行為以上の意味を持っています。
それは、ミツバチの生態を理解し、彼らが安心して暮らせる環境を提供することで、人間と自然が共存していくための大切な一歩です。

この記事で紹介した方法と注意点を守れば、誰でも安全にミツバチと向き合うことができます。
もし、自分で捕獲するのが難しいと感じたら、決して無理をせず、地元の養蜂家やハチの専門業者に相談することも検討してください。

ミツバチを捕獲し、新しい住処を提供することは、私たちにとっても自然界にとっても、価値ある経験となるでしょう。

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