【クロアナバチの巣作り】庭の土に穴!巣の場所・構造・駆除の注意点を解説

クロアナバチ ハチ

ご自宅の庭や畑で、大きなハチが土に穴を掘っているのを見た経験はありませんか?

そのハチは「クロアナバチ」である可能性が高く、それは幼虫を育てるための巣作りをしているサインです。
クロアナバチは比較的温厚なハチですが、生活圏内で巣を見つけると、その危険性や対処法について不安を感じる方もいるかと思います。

この記事では、「クロアナバチの巣作り」に焦点を当て、その生態、巣を作る場所と構造、そして万が一巣を見つけた場合の安全な対処法を、詳しく解説します。


クロアナバチの巣作りの特徴と生態

まず、クロアナバチの巣作りが、スズメバチのような社会性のハチとは大きく異なることを理解しておく必要があります。
クロアナバチはアナバチ科に属する単独性のハチであり、女王バチや働きバチといった役割分担がなく、メス一匹が狩り、巣作り、産卵のすべてを行います。
このハチの巣は木の枝や軒下ではなく、必ず土の中に作られます。
これは「地中営巣性」と呼ばれ、集団で生活するためのものではなく、幼虫が育つための保育所としてのみ機能します。

活動期間としては、初夏から秋にかけて巣作りが行われます。
5月から7月にかけて成虫が出現し、交尾と巣作りを開始します。

そして8月から9月にかけて巣作りと狩りがピークを迎え、幼虫の育成が行われます。
10月以降になると成虫は徐々に姿を消し、幼虫は土の中で越冬の準備に入ります。


巣を作る場所と巣穴の構造

クロアナバチは、巣作りをする場所を慎重に選びます。
彼らが好むのは、日当たりが良く、水はけの良い場所です。
これは、幼虫の成長を促すために暖かい環境が必要であり、雨が降っても巣穴が浸水するのを防ぐ必要があるためです。
そのため、庭の隅や畑、芝生や砂地など、柔らかい土壌が狙われやすくなります。

巣穴の構造はシンプルで、ハチが自分で掘った一本のトンネルのような形をしています。
地表には直径1cm程度のきれいな穴が開いており、そこから地下40〜50cmの深さまでまっすぐ掘り進められます。
トンネルの奥には、幼虫を育てるための部屋である育房室が1〜5つ作られます。
特に特徴的な行動として、クロアナバチは巣穴を寄生バチなどの外敵から守るため、巣穴の周りにダミーの穴をいくつか掘ってカモフラージュすることが知られています。
巣穴の中には、毒針で麻痺させたバッタやキリギリスが運び込まれ、その獲物に卵が産み付けられ、孵化した幼虫が生きた獲物を食べて成長します。


危険性:巣を見つけた場合の注意点

庭でクロアナバチの巣穴を見つけても、過度に恐れる必要はありませんが、いくつかの注意点を守る必要があります。
クロアナバチは非常に温厚なハチであるため、巣穴に近づいてもすぐに人を襲うことはありません。

しかし、誤って巣穴を踏んでしまったり、穴の近くで作業中に強い振動や刺激を与えたりすると、自己防衛のために刺してくる危険性があります。

また、狩りから戻ってきたハチや巣穴の整備をしているハチを、好奇心から手で触ったり、払ったりすることは厳禁です。
これが刺される最大の原因となります。

巣穴の周りにハチが多数出入りしている、ハチの体型がずんぐりしているなど、少しでも不安を感じたり、ハチの種類を特定できない場合は、絶対に近づかず、専門業者に相談することが最も安全です。


安全な巣の駆除と予防対策

生活に支障が出る、あるいは危険だと感じる場合は、巣の駆除を検討すべきです。
単独性のクロアナバチであれば、比較的自分で駆除しやすいですが、安全には最大限の注意が必要です。
駆除は親バチが巣穴の中にいる確率が高い夜間に行うのが鉄則です。
駆除の際は、厚手の長袖・長ズボン、手袋、フェイスシールドなどで肌を完全に隠し、ハチ専用の殺虫スプレーを用意します。
巣穴の入口からスプレーのノズルを差し込み、奥まで薬剤を噴射します。
翌日、親バチの活動が完全に止まったことを確認してから、巣穴を完全に掘り起こすか、土を埋め戻します。

クロアナバチに巣を作らせないための予防策としては、環境整備が効果的です。
芝生やグランドカバー植物で地面を覆い、ハチが掘りやすい土の露出部分を減らすことが重要です。
庭の水はけを良くすることや、エサとなるバッタやキリギリスといった虫を適度に駆除することも、巣作りを予防する有効な方法となります。

クロアナバチの巣作りは自然の営みですが、安全安心な生活を送るためにも、その特徴を知って適切に対処しましょう。
巣の場所特定や駆除に不安がある場合は、ぜひ専門の駆除業者にご相談ください。


まとめ|クロアナバチの巣作りへの適切な対処法

クロアナバチは、その生態と巣作りの特徴を知ることで、過度に恐れずに適切に対処できるハチです。

このハチは単独性であり、集団で生活するスズメバチとは異なります。
巣は日当たりと水はけの良い土の中に一本のトンネル状に作られ、幼虫のための保育所として使われます。
人に対する攻撃性は低いものの、巣穴を踏んだり、ハチを刺激したりすると刺される危険があるため、巣を見つけてもむやみに近づいたり触れたりしないことが最も重要です。

もし庭に巣ができてしまい駆除が必要な場合は、親バチが巣にいる夜間に、肌の露出がないように完全防護した上で行う必要があります。

しかし、土の中には攻撃性の高いスズメバチが巣を作っている可能性も否定できません。
そのため、ハチの種類が不明確な場合や、ご自身での駆除に不安がある場合は、無理をせず専門の駆除業者に相談することが最も安全で確実な方法です。

環境整備によって、掘りやすい土の露出を減らしたり、水はけを改善したりすることで、クロアナバチが巣を作るのを予防できます。

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