日本の美しい蝶、クロアゲハを捕まえよう!
日本の里山や公園でよく見かける、黒い羽根が美しい大型の蝶、それがクロアゲハです。
その優雅な姿から、昆虫採集の対象として非常に人気があります。
「なかなか捕まえられない」「どこで出会えるの?」といった疑問をお持ちの初心者の方のために、この記事ではクロアゲハを効率良く、そして楽しく捕まえるための完全なノウハウを解説します。
この記事を読めば、あなたも憧れのクロアゲハを手にすることができるでしょう!
クロアゲハを捕まえる最適な「時期」
蝶の採集において、活動時期を知ることは成功の鍵です。
クロアゲハは年間に複数回発生する「多化性」の蝶です。
- 発生時期(活動が活発な時期)
- 春型(4月下旬~6月)
越冬を終えた成虫が発生する時期です。
比較的羽根の光沢が強い傾向があります。 - 夏型(7月~9月)
個体数が最も多くなり、捕まえやすい時期です。
夏休み期間は特におすすめです。
- 春型(4月下旬~6月)
💡ワンポイントアドバイス:
活動が最も活発になる午前9時~午後2時頃を狙いましょう。
この時間帯は日光浴や吸蜜のために低空を飛ぶことが多くなります。
クロアゲハに出会える「場所」と「環境」
クロアゲハの生息地は比較的広範囲ですが、特に見つけやすい環境があります。
【最重要】吸蜜源のある場所
クロアゲハは蜜を吸うために特定の植物が集まる場所を好みます。
- 公園や庭園の植え込み
ブッドレア、アジサイ、ヒガンバナなどの蜜源植物が多く植えられている場所。 - 山あいの渓流沿い
水分やミネラルを補給するために、湿った地面や水たまりに集まることがあります(吸水行動)。 - 柑橘類の畑の周辺
幼虫の食草であるミカン科の植物(ミカン、カラスザンショウなど)の近くは、産卵のために飛来します。
オスが占有行動をする場所
オスはメスを待つために、特定の場所(テリトリー)をパトロールします。
- 明るい林道や道筋
日当たりが良く、少し開けた空間の「上空」を繰り返し飛んでいることがあります。 - 小高い丘の頂上付近(占有飛翔)
晴れた日の午後、高所を優雅に飛んでいる個体は、オスである可能性が高いです。
捕獲のための「道具」と「準備」
効率よくクロアゲハを捕まえるには、適切な道具の準備が不可欠です。
| 道具 | 用途 | 補足 |
| 捕虫網(虫取り網) | 蝶を捕獲する最も重要な道具。 | 網の径が大きいもの(30cm以上)、柄が長いものが望ましい。 クロアゲハは素早く、高く飛ぶためです。 |
| 三角紙(志賀昆虫普及社製など) | 捕獲した蝶を一時的に保存するための紙製の包み。 | 羽根を傷つけずに持ち運ぶために使います。 |
| 毒瓶(酢酸エチルなど) | 捕獲後、標本化するために蝶を絶命させるための道具。 | ⚠️取り扱いには十分注意が必要です。 初心者の場合は、一時的にカゴで飼育するのも良いでしょう。 |
クロアゲハを捕まえる「コツ」と「テクニック」
クロアゲハは警戒心が強く、動きも素早いのが特徴です。
以下のテクニックで成功率を上げましょう。
1. 蝶の動きを予測する「待ち伏せ作戦」
飛び回る蝶を追いかけるのは体力の無駄になることが多いです。
吸蜜中の蝶や吸水中の蝶は、動きが鈍く、捕まえやすい最大のチャンスです。
- 吸蜜中: 花に夢中になっている間に、蝶の背後からゆっくりと網を近づけます。
- 吸水中: 地面に降りているときは、物音を立てずにしゃがんで忍び寄り、網を上から被せるように捕獲します。
2. 「追い抜き」ではなく「待ち構え」の網の振り方
飛んでいるクロアゲハを捕まえる際は、蝶を追いかけるのではなく、その進路に網を素早く振り込むイメージで待ち構えます。
- 振り方: 蝶の進行方向に対して、斜め下から上へ、または横からサッと円を描くように振ります。
- 捕獲後: 捕獲したらすぐに網の縁を返し、蝶が奥へ奥へと登っていくようにネットをひねって閉じ込めましょう。
3. 早朝や曇りの日を狙う(裏技)
朝露で羽根が湿っている早朝や、気温が低く活動が鈍い曇りの日は、普段よりも蝶の動きが遅くなります。チャンスがあれば、このような時間帯を狙ってみるのも有効です。
まとめ
クロアゲハの採集は、適切な時期・場所・テクニックを知ることで、ぐっと成功率が上がります。
| チェックポイント | 詳細 |
| 時期 | 7月~9月の夏型が最もおすすめ。 |
| 時間帯 | 活動が活発な午前9時~午後2時。 |
| 場所 | ブッドレアなどの蜜源植物がある公園、柑橘類の畑周辺。 |
| コツ | 吸蜜中/吸水中の個体を待ち伏せして狙う。 |
この記事のノウハウを活かして、ぜひ日本の美しいクロアゲハの捕獲に挑戦してみてください!
採集を楽しむ際は、自然環境への配慮を忘れずに、安全に活動しましょう。


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