コガネムシの食べ物とは?成虫と幼虫の食性を徹底解説!

コガネムシ コガネムシ

「コガネムシ」と聞いて、夏の庭や公園でキラキラと輝く甲虫を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
その美しい姿から「黄金虫」とも呼ばれ、親しまれています。
しかし、その一方で、コガネムシの仲間は農作物や観賞用の植物に大きな被害を与える「害虫」としての一面も持っています。

この記事では、コガネムシの成虫と幼虫が何を食べるのか、その食性や生態、さらには身近なコガネムシの種類ごとの特徴について、徹底的に掘り下げて解説します。
ご自宅の庭や畑でコガネムシの被害にお悩みの方も、ぜひ最後までご覧ください。

コガネムシの食べ物|成虫と幼虫で全く違う!

コガネムシは、その一生の間に食べ物を大きく変えます。
成虫と幼虫の食性を理解することが、効果的な対策を立てるための鍵となります。

成虫の食べ物|植物の葉、花、果実

コガネムシの成虫は、主に植物の地上部を食べて生活します。
その食性は非常に幅広く、特定の植物だけでなく、さまざまな種類の植物に被害を与えます。

  • 葉っぱを好むコガネムシ
    多くの種類のコガネムシは、バラ、ブドウ、サクラ、アジサイといったバラ科の植物や、カキ、クリ、ナシなどの果樹の葉を好んで食べます。
    特に、柔らかい新芽や若い葉を好む傾向があり、葉脈だけを残して葉をボロボロにする「食痕(しょっこん)」を残すのが特徴です。
  • 花や果実を好むコガネムシ
    美しいバラの花びらを食害したり、アヤメやアサガオの花粉や蜜を食べる種類もいます。
    また、モモ、リンゴ、ナシ、イチジクといった甘い果実を食べて、商品価値を大きく損なうこともあります。
    コガネムシの口器は咀嚼(そしゃく)に適しており、植物の組織を効率よくかじり取ることができます。

成虫は、その食欲旺盛な性質から、庭の植物を短期間で丸坊主にしてしまうことも珍しくありません。
特に、大量に発生すると、その被害は壊滅的なものになることもあります。

幼虫の食べ物|植物の根っこ

コガネムシの幼虫は、通称「ジムシ(地虫)」と呼ばれ、土の中に生息しています。
成虫とは異なり、植物の地上部を食べることはありません。

幼虫の主食は、植物の根っこです。

  • 芝生の根
    ゴルフ場のグリーンや一般家庭の芝生を食い荒らす代表的な害虫です。
    根が食べられると、芝生は水分や養分を吸収できなくなり、やがて部分的に枯れてしまいます。
    芝生が枯れて茶色いパッチ状になる「地虫の食害」は、コガネムシの幼虫が原因であることが多いです。
  • 野菜や花壇の根
    トマト、ナス、ジャガイモといった野菜の根や、パンジー、ペチュニアなどの花壇植物の根も、幼虫の格好の餌となります。
    根が食べられると、植物は生育不良を起こし、葉が黄ばんだり、最悪の場合は枯れてしまいます。

幼虫は、成虫以上に植物に深刻なダメージを与えます。
特に、鉢植えやプランターでは、土の中に隠れているため被害に気づきにくく、植物が弱ってきた時にはすでに手遅れになっていることも少なくありません。


知っておきたい!身近なコガネムシの種類と食べ物

コガネムシの仲間は非常に多様で、それぞれ食性や生態に特徴があります。
代表的な種類をいくつかご紹介します。

  • アオドウガネ(青銅金亀子)
    緑色から青銅色に輝く、日本で最も一般的なコガネムシの一つです。
    成虫は、ブドウ、ミカン、サクラ、カキなどの葉や果実を食害します。
    幼虫は、芝生や畑の根を食べて成長します。
  • マメコガネ(豆金亀子)
    もともと日本の固有種ですが、北米で大繁殖し、農業害虫として有名になりました。
    成虫は、ダイズ、バラ、ブドウなど300種類以上もの植物の葉や花を食害すると言われています。
    幼虫は、特に芝生の根を好みます。
  • ハナムグリ(花潜)
    コガネムシ科ですが、植物の葉や果実を食べることはほとんどありません。
    花の中に潜り込んで、花粉や蜜を主食としています。
    そのため、一般的に害虫とは見なされず、むしろ受粉を助ける益虫として扱われることもあります。
  • カナブン(金蚉)
    コガネムシとよく似ていますが、カナブンは樹液を吸うのが特徴です。
    クヌギやカシなどの樹木に集まり、樹液を求めて飛び回ります。
    カナブンはコガネムシのように葉っぱを食べることはありません。

これらの種類の違いを知ることで、目の前の昆虫が本当に植物に害を与えるコガネムシなのかを見分けることができます。


コガネムシの被害を最小限に抑える方法

コガネムシの食害から大切な植物を守るためには、成虫と幼虫の両方に対する対策が必要です。

  • 成虫対策
    • 捕殺
      見つけ次第、すぐに捕まえて駆除することが最も確実な方法です。
      特に朝早くは動きが鈍いので、捕まえやすいでしょう。
    • 防虫ネット
      大切な植物を目の細かいネットで覆うことで、成虫の侵入を防ぐことができます。
    • 誘引剤トラップ
      コガネムシを特定の場所に誘い込み、まとめて捕獲するトラップも市販されています。
  • 幼虫対策
    • 土壌のチェック
      植え替えの際や、植物が元気がない時に、土の中に幼虫がいないか確認しましょう。
    • 薬剤散布
      幼虫に効果のある浸透移行性の殺虫剤を土壌に散布することで、根を食べる幼虫を駆除することができます。
      土壌処理剤や水で薄めて散布するタイプなどがあります。

まとめ

コガネムシは、成虫が植物の葉や花、幼虫が植物の根を食べるという全く異なる食性を持っています。
この生態を理解することで、植物が受けている被害がどちらによるものなのかを見極め、適切な対策を講じることが可能になります。

美しいコガネムシも、大量発生すると植物にとって手ごわい敵となります。
この記事を参考に、大切な庭や畑をコガネムシの被害から守り、快適なガーデニングライフを送りましょう。

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