キタキチョウは、その鮮やかな黄色と優雅な飛び方で、昆虫採集の対象として非常に人気があります。
幼虫の飼育や標本作成のために捕まえる方も多いですが、チョウの採集には正しい方法と守るべきルールがあります。
本記事では、キタキチョウを安全かつ簡単に捕まえるためのテクニックと、採集前に必ず知っておくべき法律・マナーを解説します。
捕まえる前に知るべき法律とマナー【採集ルール厳守】
キタキチョウは一般的な種であり、特定の法律で捕獲が禁止されている「希少鳥獣」には該当しません。
しかし、採集を行う場所や方法については、いくつかのルールを守る必要があります。
採集場所のルール
- 私有地
個人の所有する土地(庭、畑など)での採集は、必ず所有者の許可を得てください。
無許可での立ち入りは不法侵入となります。 - 公園・自然保護区
公園や自然保護区(国立公園、鳥獣保護区など)では、捕獲が禁止されている場合があります。
現地の看板や管理者の指示に従ってください。 - 生息地を荒らさない
採集の際、植物をむやみに踏み荒らしたり、石を動かしたりして、チョウの生息環境を破壊しないように注意しましょう。
安全上の注意
- 危険な場所
高圧電線や道路の近く、崖など、危険な場所での採集は絶対に避けてください。
特に長い捕虫網(ほちゅうもう)は、電線に触れなくても感電の危険があります。 - 熱中症対策
夏場の採集は、水分補給と休憩を忘れずに行い、熱中症に注意してください。
キタキチョウを捕まえるコツとテクニック
キタキチョウはモンシロチョウなどと比べて動きが速いわけではありませんが、警戒心が強いため、確実に捕まえるためのコツがあります。
必要な道具
- 捕虫網(ほちゅうもう)
チョウの翅(はね)が傷つきにくいよう、網目が細かく柔らかい素材のものを選びましょう。 - 三角紙またはプラケース
捕まえたチョウを一時的に保護し、翅を傷めずに持ち帰るために使用します。 - その他
水筒、帽子、軍手、虫除けスプレーなど。
捕獲がしやすい状況を狙う
キタキチョウは、特定の状況で動きが鈍くなり、捕まえやすくなります。
- 蜜を吸っている時
花にとまって蜜を吸っている時は、チョウが最も無防備な状態です。 - 吸水している時
湿った地面や水たまりでオスが集団で水を吸う「吸水」行動中も、捕獲しやすいチャンスです。 - 朝方・夕方
気温が低く、まだ十分に体温が上がっていない朝方や、活動を終える夕方も動きが鈍くなります。
捕虫網を使った基本テクニック
- 忍び足で接近
チョウから目を離さず、チョウの進行方向または真後ろから、網が届く距離までそっと近づきます。
急な動きは厳禁です。 - 「かぶせ技」
地面や花にとまっているチョウに対し、上から網を素早く、一気にかぶせます。
失敗を恐れず、大胆にかぶせるのがコツです。 - 「スイング技」
飛んでいるチョウを狙う場合は、チョウの飛ぶコースを予測し、網を横に振るようにして掬い取ります。
上から叩きつけるのは厳禁です。 - 網の口を反転
チョウが網に入ったら、すぐに網の口を反転させて閉じます。
網の枠を利用して蓋をするイメージです。
捕獲後の取り扱いと持ち帰り方
捕まえた後の取り扱いが悪いと、チョウの翅がボロボロになってしまいます。
優しく扱いましょう。
網からの取り出し方
- チョウを網の底へ誘導
網の外側から、チョウの翅を閉じるようにして、網の底へ誘導します。 - 胸をつまむ
網の上から、チョウの胸の部分(胴体)を、人差し指と親指で軽くつまみます。 - 網の外へ
チョウを優しくつまんだまま、網を裏返したり、開口部から外に出します。
持ち帰り方
- 三角紙
翅を傷めないよう、チョウをそっと三角紙に収納し、標本にするまで保管します。 - 飼育目的の場合
翅を傷つけないよう、プラスチックケースや広めのプラケースに入れ、揺らさないように持ち帰ります。
まとめ:採集は楽しく、ルールを守って
キタキチョウは身近な場所で練習しやすいターゲットですが、安全に配慮し、私有地のルールや自然保護の精神を守ることが大切です。
正しい知識と技術を身につけて、キタキチョウ採集を楽しみましょう。


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