日本に生息するキリギリスの種類|特徴と鳴き声で判別しよう

クビキリギリス キリギリス

夏の終わりを告げる力強い鳴き声が特徴的なキリギリス。
その独特な音色は多くの人々に親しまれていますが、実は日本にはいくつかの種類のキリギリスが存在し、それぞれ異なる鳴き声や特徴を持っています。
この記事では、代表的なキリギリスの種類とその見分け方を解説します。


代表的なキリギリスの種類とその特徴

私たちが「キリギリス」と聞いて思い浮かべるのは、主に「キリギリス」と呼ばれる種ですが、その中でも地域や特徴によって細かく分けられます。

1. ニシキリギリス(Western Katydid)

日本の本州、四国、九州に広く生息している、最もポピュラーなキリギリスです。

  • 鳴き声
    誰もが一度は耳にしたことがあるであろう、「ギーッチョン、ギーッチョン」と単調で力強く、そして非常に大きな声で鳴くのが特徴です。
    この鳴き声は、オスがメスを引きつけるための求愛行動であり、主に日中から夕方にかけて聞くことができます。
  • 外見
    体長はオスで約4cm、メスでは約5cmに達し、比較的がっしりとした体格をしています。
    体の色は緑色や茶褐色など、生息する環境に溶け込むような保護色を持っています。
    オスの前羽には、鳴くための発音器が発達しており、はっきりとした模様が見られます。

2. ヒガシキリギリス(Eastern Katydid)

ニシキリギリスと非常に似ていますが、生息地と鳴き声で明確に区別されます。

  • 鳴き声
    ニシキリギリスとは異なり、少し高い音で連続的に「シーシーシーシー」と鳴くのが特徴です。
    この鳴き声は、より繊細で静かに聞こえるかもしれませんが、それでも遠くまで響き渡る力強さを持っています。
  • 外見と生息地
    外見はニシキリギリスと酷似していますが、主に東日本、特に北海道から東北地方、関東地方にかけて生息しています。
    西日本に生息するニシキリギリスとは、生息域が分かれていることから、地理的隔離によって異なる種に進化したと考えられています。

3. ハヤシノウマオイ(Forest Katydid)

キリギリスとは別の種ですが、その姿や生態が似ているため、しばしば混同されます。

  • 鳴き声
    まるで鞭で馬を追うような音から、「スイッチョ、スイッチョ」と鳴くのが特徴です。
    この独特な鳴き声は非常に聞き分けやすく、他のキリギリスの鳴き声とは全く異なります。
  • 外見
    キリギリスよりも体全体が細長く、特に触角が自分の体長をはるかに超えるほど非常に長いのが特徴です。
    羽も細く、全体的にスマートな印象を与えます。

鳴き声で種類を判別しよう!

これらのキリギリスや似た昆虫を簡単に見分ける最も確実な方法は、鳴き声に耳を傾けることです。

  • 「ギーッチョン」と力強く単調に鳴くなら、それはニシキリギリス
  • 「シーシーシー」と連続的に鳴くなら、それはヒガシキリギリス
  • 「スイッチョ」と鳴くなら、それはハヤシノウマオイです。

次に草むらで力強い歌声を聞いたら、それがどのキリギリスなのか、ぜひ鳴き声で判断してみてください。
夏の終わりから秋にかけて、それぞれの種が奏でるハーモニーを楽しむのも、自然観察の醍醐味の一つです。

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