夏の風物詩として親しまれているキリギリス。
その特徴的な鳴き声は、夏の暑さが和らぎ、秋の訪れを感じさせてくれます。
この記事では、キリギリスの生態、鳴き声の秘密、そしてバッタとの違いについて解説します。
キリギリスってどんな昆虫?
キリギリスは、バッタ目キリギリス科に属する昆虫です。
日本全国に生息しており、草むらや畑、河川敷など、比較的開けた場所に生息しています。
体長はオスで約4cm、メスで約5cmと、バッタと比べるとやや細身です。
体の色は緑色や褐色など、生息環境によってさまざまです。
キリギリスの主な特徴
- 長い触角
キリギリスの触角は、自分の体長よりも長く、非常に細いのが特徴です。 - 強靭な後ろ足
跳躍力に優れており、危険を感じると素早くジャンプして逃げます。 - 肉食性の食性
バッタが主に植物を食べるのに対し、キリギリスはアブラムシや他の昆虫、植物の葉など、さまざまなものを食べます。
肉食傾向が強い雑食性です。
鳴き声の秘密|なぜキリギリスは鳴くの?
キリギリスの鳴き声は、オスがメスを引き寄せるための求愛行動です。
「ギースチョン」や「ギーッチョン」と聞こえるこの独特な鳴き声は、前羽(ぜんう)をこすり合わせることで音を出しています。
- 鳴く時間帯
主に日中から夕方にかけて活発に鳴きます。 - 鳴く期間
7月から10月頃にかけて鳴き声を聞くことができますが、特に夏の終わりから秋にかけて、その鳴き声は一段と力強くなります。
キリギリスとバッタの違いは?
姿が似ているキリギリスとバッタですが、実はいくつかの明確な違いがあります。
キリギリス | バッタ | |
触角の長さ | 長い(体長以上) | 短い |
鳴くのは | オス | ほとんど鳴かない |
食性 | 肉食寄りの雑食性 | 草食性 |
活動時間 | 日中から夕方 | 日中 |
後ろ足 | 細い | 太い |
最も分かりやすい違いは、触角の長さと鳴き声です。
長い触角を持つキリギリスはよく鳴きますが、触角が短いバッタはほとんど鳴きません。
また、食性にも大きな違いがあるため、草むらでよく見かけるバッタと比べて、キリギリスは少し捕まえにくいかもしれません。
キリギリスの観察スポット
キリギリスは、公園の草むらや河川敷、畑の周りなどで見つけることができます。
特に、草が腰の高さくらいまで茂っている場所がおすすめです。
鳴き声が聞こえる場所に近づき、ゆっくりと草をかき分けて探してみましょう。
夏の終わりから秋にかけて、キリギリスの力強い鳴き声に耳を傾けてみてください。
その歌声は、季節の移り変わりを静かに教えてくれます。
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