カミキリムシはそのユニークな姿や美しい色彩で、昆虫愛好家から高い人気を誇ります。
しかし、どこにいるのか、どうやって捕まえるのか、悩む方も多いかもしれません。
この記事では、カミキリムシの効率的な捕まえ方を、成虫と幼虫に分けて解説します。S
カミキリムシ採集の基本と準備
カミキリムシの採集は、種類や時期によって最適な方法が異なります。
まずは基本的な準備から始めましょう。
採集に必要な道具
道具名 | 用途 | ポイント |
昆虫採集網(捕虫網) | 飛んでいる成虫や、花や葉にいる成虫を採集 | できるだけ柄の長いものが、高い場所にも対応できて便利。 |
軍手 | 鋭いアゴを持つ大型のカミキリムシに噛まれるのを防ぐ | 慣れていない場合は必須。 |
鉈(なた)や斧、ノコギリ | 朽木や枯れ竹を割って幼虫を採集する際に使用 | 危険な作業のため、取り扱いに注意が必要。 |
ピンセット、ナイフ、マイナスドライバー | 幼虫を傷つけずに木の中から取り出す際に使用 | 細かい作業に便利。 |
虫かご、タッパー | 捕まえたカミキリムシを安全に持ち運ぶ | 逃げ出さないように蓋をしっかり閉める。 |
採集に適した時期と場所
カミキリムシの活動が活発になるのは、主に春から秋にかけての暖かい時期です。
特に成虫は、日当たりの良い場所を好みます。
- 成虫:林道沿いの花(カエデ、白い花など)、樹木の新芽や葉、伐採木、夜間の街灯周辺。
- 幼虫:倒木、朽木(特に水分を含んだ新しいもの)、枯れた竹材。
成虫を捕まえる主な方法
成虫のカミキリムシを狙うには、いくつかの効果的な方法があります。
スイーピング(網ですくい取る採集法)
花や葉の上で食事(後食)をしているカミキリムシを、網でさっとすくい取る方法です。
- 狙い目:春先のカエデの花や、林道沿いに咲く白い花など、カミキリムシが集まりやすい場所。
- コツ:カミキリムシは驚くとすぐに飛び立ってしまうため、そっと近づき、網を下からやさしくすくい上げるのがポイントです。
ビーティング(叩き落とす採集法)
カミキリムシが止まっている枝や葉を、網の縁や棒で叩き、驚かせて下に敷いた白い布や網に落とす方法です。
- 狙い目:樹木の枝や葉、特に伐採木が集積された場所。
- コツ:気になる場所を見つけたら、樹種に関わらず迷わず叩くことが基本です。
落としてきた瞬間を逃さず捕獲しましょう。
材採集とルッキング(見つけて捕まえる採集法)
特定の樹種に集まるカミキリムシを狙い、その場で直接見つけて捕まえる方法です。
- 狙い目:伐採された針葉樹や広葉樹、切り落とした枝を積んだソダ(粗朶)。
- コツ:伐採木を繰り返し見て、どの材にどのカミキリムシがつくかという傾向をつかむと、特定の種を狙いやすくなります。
ライトトラップ・吹上げ採集(マニア向け)
- ライトトラップ:夜行性の種類は光に集まる性質を利用し、街灯の近くの白壁などを探索します。
- 吹上げ採集:見晴らしの良い尾根などで、上昇気流に乗って飛んでくるムシを網で採る、難易度の高い方法です。
幼虫を捕まえる方法(材割採集)
カミキリムシの幼虫は、主に木の中で生活しています。
彼らの食料となる木を見つけ、割って採集する方法を「材割採集」と呼びます。
幼虫がいる木を見つける
- 倒木・朽木:幼虫は生きた木だけでなく、倒木や朽木を好む種類もいます。
特に水分が多めで比較的新しい朽木を探しましょう。 - 脱出孔と糞:木に小さな脱出孔が開いていないか、おが屑状の幼虫の糞(フラス)が付いていないかを探します。
新鮮で明るい色の糞があれば、幼虫が近くにいる可能性が高いです。 - 特定の樹種:ベニカミキリの幼虫は、モウソウチクやマダケなどの枯れ竹材にいることが多いです。
幼虫の採集手順
- 木を割る:鉈や斧で倒木や枯れ竹を割ります。私有地の場合は必ず所有者の許可を得ましょう。
- 食痕の確認:木を割って、幼虫が掘り進んだトンネル状の食痕が見つかればビンゴです。
- 幼虫の取り出し:ナイフやマイナスドライバーを使い、幼虫を傷つけないよう慎重に木の繊維を削っていきます。
- 捕獲:最後にピンセットで優しく摘み取るか、幼虫が入っている竹などを叩いて(トントンして)転がり出させます。
捕まえる際の注意点と安全対策
カミキリムシの採集は楽しいものですが、安全に行うことが大切です。
- 噛みつきに注意
大型のカミキリムシはアゴの力が強く、噛まれると痛いことがあります。
捕まえる際は、背中側の胸か羽の部分をつかみ、軍手を使用しましょう。 - 私有地での採集
山や竹林などで採集を行う際は、必ず管理者の許可を得てください。
無許可での伐採や採集は法律違反になる可能性があります。 - 道具の取り扱い
鉈や斧などの刃物を使用する際は、怪我のないよう細心の注意を払いましょう。
まとめ
カミキリムシの捕まえ方は、活動場所や時間帯を把握し、適切な道具と方法を選ぶことで効率が格段に上がります。
初心者の方はまず「スイーピング」や「ルッキング」から始め、慣れてきたら「ビーティング」や「材割採集」にも挑戦してみてください。
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