「家に入ってきたカメムシは、いつまで生きているの?」
強烈な臭いで私たちを悩ませるカメムシ。
その寿命について知ることは、彼らの生態を理解し、より効果的な対策を講じる上で非常に重要です。
この記事では、カメムシの基本的な寿命から、種類ごとのライフサイクル、そして長く生きるカメムシへの越冬対策まで、詳しく解説します。
1. 🐞 カメムシの一般的な寿命:成虫になってから約1年
カメムシの寿命は種類や環境によって異なりますが、多くの一般的なカメムシ(クサギカメムシやアオクサカメムシなど)のライフサイクルは、以下のようになっています。
カメムシの一生(約1年間のサイクル)
- 卵
春から夏にかけて産卵されます。孵化までに数日〜1週間程度です。 - 幼虫 (脱皮を繰り返す)
卵から孵った幼虫は、数回(通常5回)の脱皮を繰り返し、成長します。
この期間も数週間から数ヶ月です。 - 成虫
夏の終わり頃に成虫になります。 - 越冬
成虫になったカメムシは、暖かい場所を探し、冬を越します。 - 産卵と生涯の終焉
越冬に成功した成虫は、翌年の春から初夏にかけて産卵し、その後に寿命を終えます。
つまり、カメムシは成虫になってから約1年、寿命を全うする種が多いということになります。
特に、秋に家の中に入ってきたカメムシは、次の春まで生き延びようとしている「越冬中の個体」です。
2. 種類別!家庭で遭遇するカメムシの寿命とサイクル
カメムシの中でも特に家庭でよく見られる主要な種類の寿命と、年間のサイクルにはわずかな違いがあります。
① クサギカメムシ(越冬侵入の代表格)
- 寿命
成虫になってから約10ヶ月〜1年。 - ライフサイクル
年に1回発生する種が多いです(年1世代)。
秋に成虫となり、越冬場所(家屋など)を探す。
春に越冬を終えて外に出て、産卵する。 - 対策上の重要性
家の中に侵入した個体は、長期間(数ヶ月間)にわたって生存し続ける可能性があるため、見つけ次第、すぐに臭いを出させない方法で駆除する必要があります。
② アオクサカメムシ(緑色のカメムシ)
- 寿命
暖かい地域では年に2回以上発生することもあり、寿命は数ヶ月〜1年と幅があります。 - ライフサイクル
年に1〜3回発生します(年1〜3世代)。
冬場は主に成虫で越冬しますが、クサギカメムシほど積極的に家屋に入り込むわけではありません。 - 対策上の重要性
発生源(庭の植物や雑草)を特定し、数を増やさないようにすることが重要です。
③ マルカメムシ(小型で丸いカメムシ)
- 寿命
成虫になってから約1年。 - ライフサイクル
年に2〜3回発生します(年2〜3世代)。
春から初夏にかけて大量発生し、秋に成虫が越冬します。 - 対策上の重要性
小型で大量発生しやすく、洗濯物への付着被害が多いため、洗濯物を取り込む際のチェックと、越冬場所となる隙間(特に豆科植物の近く)の対策が必要です。
3. 🛡️ 長生きカメムシの「越冬」を許さない対策
カメムシが成虫になってから長期間生き延びる最大の理由が「越冬」です。
家の中で生き残ったカメムシは、翌春には外で産卵し、さらにカメムシの数を増やす原因となります。
彼らの長寿をストップさせるための対策は、以下の2点に集約されます。
① 越冬場所となる「隙間」を徹底的に塞ぐ
カメムシは、温度が低すぎず高すぎない場所でエネルギーを節約しながら越冬します。
家屋の隙間は、彼らにとって最適な隠れ家です。
- 窓のサッシ
窓とサッシの隙間に隙間テープを貼る。 - エアコン導入口
配管周りの穴をエアコンパテで完全に埋める。 - 換気扇・通気口
目の細かい防虫ネットで物理的に侵入を阻止する。
② 見つけたらすぐに「臭いを出させずに」駆除
越冬中のカメムシは動きが鈍いですが、刺激すると臭いを出します。
- 駆除のベストプラクティス
洗剤水入りペットボトルで捕獲し、臭いを拡散させずに処理する。
凍結スプレーなどで動きを完全に止めてから、そっと処分する。
💡 豆知識:越冬中のカメムシの行動
冬の間、家の中の暖かい場所でカメムシを見つけた場合、それは「体温を上げすぎて目を覚ましてしまった」状態です。
越冬中のカメムシは基本的に動かず、光が当たらない場所にじっとしています。
まとめ
カメムシは成虫になってから約1年生きるものが多く、秋に家に入ってきた個体は、翌春に産卵するまで生き延びようとしています。
- 寿命の鍵は越冬
彼らの長寿(約1年)を支えるのは、暖かい場所での越冬です。 - 最良の対策
越冬場所となる侵入経路を完全に塞ぐことが、来年の大量発生を防ぐ最も効果的な方法です。
この記事を参考に、カメムシの寿命と生態を理解し、今年こそは越冬を許さない万全の対策を講じましょう。


コメント