川辺でふわりと舞うカゲロウ。
一見どれも同じように見えますが、実は日本だけでも約140種類以上が生息していることをご存知でしょうか。
種類によって、大きさや羽の模様、住んでいる川の流域(上流・下流)まで千差万別です。
この記事では、代表的なカゲロウの種類と見分け方、そして間違いやすい「ウスバカゲロウ」との決定的な違いについて解説します。
1. 日本の川で見られる代表的なカゲロウの種類
釣り人(フライフィッシャー)の間では英語名の「メイフライ」として親しまれるカゲロウ。
ここでは、特に出会う機会の多い主要な3グループを紹介します。
① モンカゲロウ(日本最大級の美麗種)
- 特徴
体長が20mm〜30mmと大きく、羽に黒い斑紋があるのが特徴です。 - 生息地
河川の中流域から下流域。砂泥の底を好みます。 - 時期
5月〜6月頃に一斉に羽化します。 - 見分け方
とにかく大きく、羽の「ぶち模様」が見えたらモンカゲロウの仲間である可能性が高いです。
② タニガゲロウ(渓流の定番種)
- 特徴
幼虫の体が非常に平たく、岩に張り付くのに適した形をしています。 - 生息地
流の上流域(水のきれいな場所)。 - 見分け方
成虫は全体的に黄色っぽく、透明感のある繊細な印象を与えます。
③ フタスジモンカゲロウ
- 特徴
腹部に2本の明確な筋があることからその名がつきました。 - 生息地
比較的きれいな川の中流域。 - 見分け方
モンカゲロウに似ていますが、一回り小さく、腹部の模様で判別可能です。
2. 【重要】カゲロウとウスバカゲロウの違い
多くの人が「カゲロウ」と聞いて思い浮かべるアリジゴクの成虫(ウスバカゲロウ)は、実は生物学的にはカゲロウとは全く別のグループです。
| 比較項目 | カゲロウ(本種) | ウスバカゲロウ |
| 分類 | カゲロウ目 | アミメカゲロウ目 |
| 幼虫の姿 | 水中生活(エラ呼吸) | 砂地の穴(アリジゴク) |
| 成虫の口 | 退化して無い | しっかりした口がある |
| 触角 | 極めて短い(針状) | 長い(こん棒状) |
| 寿命 | 数時間〜数日 | 数週間〜1ヶ月 |
見分けのポイント: 止まっている時に羽を背中の上で「直立」させていればカゲロウ、背中に沿って「屋根型」に畳んでいればウスバカゲロウ(またはトビケラなど)です。
3. カゲロウを種類別に見分ける3つのチェックポイント
野外で見つけた際、どの種類か特定するためのヒントをまとめました。
- 「尾」の数を確認する
カゲロウの仲間の多くは、お尻から伸びる長い尾が2本、または3本あります。
この本数が種類を特定する第一歩になります。 - 羽の模様と色
透明なもの、黄色みがかったもの、斑紋があるものなど、羽は個性の宝庫です。 - 出現する場所と時期
「5月の夕暮れ、中流域で大量に舞っている」などの状況証拠が、種類を絞り込む大きな手がかりになります。
4. なぜカゲロウにはこれほど種類が多いのか?
カゲロウは、昆虫の中でも非常に古い歴史を持つ「生きた化石」のような存在です。
- 環境への適応
流れの速い上流、穏やかな下流、湖など、それぞれの環境に適応して分化した結果、多様な種類が生まれました。 - 環境指標生物
種類によって住める水のきれいさが決まっているため、どの種類のカゲロウがいるかで、その川の「水質のきれいさ」を測る指標にもなっています。
まとめ:種類を知れば川歩きがもっと楽しくなる
カゲロウの世界は、知れば知るほど奥が深いです。
モンカゲロウの豪華な姿や、タニガゲロウの繊細な美しさなど、種類ごとの個性を知ることで、何気ない川辺の景色が違って見えてくるはずです。
もし、家の明かりに飛んできた「カゲロウのような虫」の正体を知りたい場合は、是非羽の形と触角の長さをチェックしてみてくださいね。

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