「イナゴとバッタって、何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか?
見た目が似ているため混同されがちですが、実は生態や食文化に大きな違いがあります。
この記事では、イナゴとバッタの違いを初心者にもわかりやすく解説します。
イナゴとバッタの分類学上の違い
まず、分類学上の違いから見ていきましょう。
- イナゴ
バッタ目イナゴ科に分類されます。
主に田んぼや水田周辺の草むらに生息しています。 - バッタ
バッタ目バッタ科に分類されます。
イナゴよりも幅広い環境に生息しており、種類も非常に多いのが特徴です。
簡単に言えば、イナゴはバッタの仲間の一つであり、より限定的な環境を好むバッタの一種と理解すると良いでしょう。
イナゴとバッタの見分け方|ここをチェック!
見た目での判別は難しいと思われがちですが、いくつかのポイントを押さえれば簡単に見分けられます。
チェックポイント①:生息地
- イナゴ
主に水田や湿地帯など、水の近くの草むらに生息しています。
稲を食べるため、田んぼの周りで見かけることが多いです。 - バッタ
草原、河川敷、山間部など、乾燥した場所から湿地まで、非常に広い範囲に生息しています。
チェックポイント②:体の色と形
- イナゴ: 全体的に細長く、色は緑色から褐色まで様々です。羽は体よりも少し短めか、同程度の長さです。
- バッタ: イナゴよりも体が太く、がっしりした体型をしています。色は緑色が多いですが、褐色や保護色を持つ種類もいます。
チェックポイント③:鳴き声
- イナゴ
鳴くことはほとんどありません。 - バッタ
多くの種類が「キチキチ」「ガチャガチャ」といった鳴き声を出します。
これは、オスがメスを呼ぶための求愛行動です。
イナゴは食べられるけど、バッタは?食文化の違い

これが最も大きな違いと言えるかもしれません。
- イナゴ
日本では古くから貴重なタンパク源として食用にされてきました。
特に、醤油と砂糖で煮詰めた「イナゴの佃煮」は、長野県や山形県などの郷土料理として有名です。 - バッタ
日本で食用とされることはほとんどありません。
種類によっては毒を持つものや、農薬の影響を強く受けている可能性もあるため、安易に食べることは推奨されません。
注意点
イナゴであっても、農薬が散布された田んぼで捕獲したものは食べないようにしましょう。
なぜイナゴは食べられて、バッタは食べられないの?
主な理由は以下の通りです。
- 食性の違い
イナゴは主に稲を食べます。
稲は人間の主食であり、そのイナゴも安全な食べ物であるという認識が広まりました。 - 生態系の違い
イナゴは田んぼに大量発生することがあり、捕獲しやすく、貴重なタンパク源として活用されました。
一方、バッタは種類が多く、食性も様々で、食用に適さないものも多いです。
まとめ|イナゴとバッタの違いを理解して、昆虫の世界を楽しもう
イナゴとバッタは、見た目は似ていますが、生息地、体の特徴、そして何より食文化において明確な違いがあります。
項目 | イナゴ | バッタ |
分類 | イナゴ科 | バッタ科 |
生息地 | 主に水田・湿地帯 | 広範囲(草原、山間部など) |
体型 | 細長い | がっしりしている |
食用 | 日本で古くから食用にされる | ほとんど食用にされない |
この記事を参考に、次からはイナゴとバッタを簡単に見分けられるようになるのではないでしょうか。
昆虫の世界は奥が深く、知れば知るほど面白いものです。ぜひ、身近な昆虫に目を向けてみてください。
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