「冬は虫がいなくて退屈だ」と思っていませんか?
実は、冬こそ昆虫観察の「裏シーズン」として非常に人気もあります。
草木が枯れて見通しが良くなる冬は、夏には葉に隠れて見えなかった卵のう(たまごの塊)や、ひっそりと眠る成虫を見つける絶好のチャンスでもあります。
この記事では、冬の昆虫たちの驚くべき生存戦略と、具体的な探し方のテクニックを詳しく解説します。
1. なぜ冬に虫を探すのが面白いのか?
冬の昆虫観察には、夏にはない3つのメリットがあります。
- 「動かない」からじっくり観察できる
夏の虫はすぐに逃げてしまいますが、冬の虫は体温が低いため動きが緩慢です。
図鑑と見比べたり、細部まで写真に収めたりするのに最適です。 - 冬にしか会えない虫がいる
「フユシャク」のように、雪が降るような寒さの中でしか成虫にならない特殊な昆虫も存在します。 - 自然の造形美(卵のうなど)を楽しめる
カマキリの卵のうや、芸術的なミノムシの巣など、冬にしか見られない造形物を探す「宝探し」のような楽しさがあります。
2. 【場所別】冬の昆虫・ターゲットリスト
昆虫たちが寒さをしのぐ為に選ぶ「越冬場所」を攻略しましょう。
① 樹皮の隙間や「めくれ」をチェック
木の幹の皮が少し浮いている場所は、天然のマンションです。
- クワガタムシ(成虫)
コクワガタなどは成虫のまま樹皮の裏で冬を越します。 - ヨコバイ・カメムシ
非常にカラフルな種類が多く、集団で見つかることもあります。 - キノボリトカゲやクモ
昆虫ではありませんが、同じ場所で眠っている姿をよく見かけます。
② 落ち葉の下(特にエノキの根元)
地面に積もった落ち葉は、保温効果抜群の布団です。
- オオムラサキ(幼虫)
日本の国蝶です。
エノキの木の根元にある落ち葉の裏に、突起のあるユニークな姿で張り付いています。 - マイマイカブリ
カタツムリを食べることで有名な甲虫。朽ち木や土の中で冬を越します。
③ 日当たりの良い「石の裏」や「看板の裏」
太陽の熱を吸収しやすい場所には、暖を求めて虫が集まります。
- ナナホシテントウ
石の裏や草の根元で、数十匹単位で集まって眠っていることがあります。 - アリの巣
石をひっくり返すと、冬眠中の女王アリと働きアリの姿が見られるかもしれません。
④ 枯れ枝やススキの原っぱ
- カマキリの卵のう
オオカマキリやハラビロカマキリの卵が見つかります。
地面からの高さで「その年の積雪量」を予想するという言い伝えもあります。
3. 冬の昆虫たちの驚くべき「防寒対策」
昆虫たちは、凍えて死なないために驚くべき仕組みを持っています。
- 不凍液を体内に持つ
多くの昆虫は、血中に「グリセロール」などの成分を蓄えます。
これにより、体の水分がマイナスになっても凍らない(過冷却状態)ように調整しているのです。 - 集団で固まる
テントウムシなどのように、一箇所に集まることで温度変化を緩やかにし、外敵からも身を守ります。
4. 観察の際のマナーと注意点(最重要)
冬の昆虫観察には、絶対に守るべきルールがあります。
「めくったら、必ず戻す」
樹皮をめくったり、石をひっくり返したりして観察した後は、必ず元の通りに戻してください。隙間が開いたままだと、そこから冷気が入り込み、昆虫たちは凍死してしまいます。「お邪魔しました」の気持ちで、優しく蓋を閉めてあげましょう。
5. 冬のフィールドワークを快適にする装備
- マクロレンズ(スマホ用でOK)
冬の虫は小さいものが多いため、100円ショップのレンズでもあると世界が変わります。 - 白い布(ビーティングネットの代用)
枝を軽く叩いて、落ちてくる虫を受け止めるのに便利です。 - ピンセット
狭い隙間にいる虫を傷つけずに観察するために役立ちます。
まとめ:冬の公園は「発見」の宝庫!
一見すると静かな冬の森や公園も、視点を変えるだけで、懸命に生きる小さな命たちの鼓動を感じることができます。
夏のような派手さはありませんが、一つひとつの発見が深い感動を与えてくれるのが冬の昆虫採集の醍醐味です。
温かい飲み物を水筒に入れて、近くのフィールドへ出かけてみませんか?


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