「地上の宝石」と呼ばれるハンミョウは、日本国内だけでも約25種が生息しています。
その美しい色彩や、生息環境は種類によって千差万別です。
この記事では、代表的なハンミョウの種類ごとの特徴や生息地を詳しく解説し、あなたの昆虫観察をより深めるお手伝いをします。
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| ハンミョウ 種類 | ナミハンミョウ、ニワハンミョウ、カワラハンミョウ、ミヤマハンミョウ、生息地、特徴、見分け方、甲虫 |
1. 🥇 最も有名で美しい!ナミハンミョウ(ハンミョウ)
一般的に「ハンミョウ」と呼ばれるのはこの種で、日本列島に広く分布しています。
| 特徴 | 詳細 |
| 体長 | 約20mm前後(日本産ハンミョウ科で最大級) |
| 色彩 | 金属光沢のある緑、青、赤が混ざる非常に鮮やかな体色。 前翅には白い斑点と赤い横帯。 |
| 別名 | ミチオシエ、ミチシルベ |
| 生息地 | 日当たりが良く湿った林道、川原、裸地(土が露出した地面)。 都市部の公園で見られることもあります。 |
| 見分け方 | 圧倒的な色彩の鮮やかさと、その大きさから比較的容易に識別できます。 |
2. 🌲 身近なハンター!ニワハンミョウとその近縁種
ナミハンミョウほど派手ではありませんが、住宅地の近くや平地でよく見られる種類です。
2-1. ニワハンミョウ(庭斑猫)
- 特徴
体色は暗銅色~暗緑色で、ナミハンミョウより地味な印象。前翅に小さな白い紋があります。 - 生息地
平地の人家周辺、農道、畑地など、比較的乾燥した裸地。 - 見分け方
お尻の先(上翅後端)に白い紋がないのが特徴です。(コニワハンミョウとの違い)
2-2. コニワハンミョウ(小庭斑猫)
- 特徴
ニワハンミョウによく似ていますが、全体的にやや小さいです。 - 生息地
ニワハンミョウと重なる部分もありますが、平地から山地の日当たりの良い砂地にも生息します。 - 見分け方
ニワハンミョウと違い、お尻の先に白い紋がある点で識別できます。
2-3. ミヤマハンミョウ(深山斑猫)
- 特徴
斑紋や体色はニワハンミョウに似ています。 - 生息地
名前の通り、主に高山や北日本の山地に生息する山地性の種です。 - 見分け方
生息環境(高地、山地)が重要な手がかりになります。
3. 🌊 特殊な環境に住むハンミョウたち
生息地が限定されており、特定の環境を好むハンミョウの仲間も多く存在します。
これらの種は環境の変化に弱く、絶滅が危惧されている種類も少なくありません。
| 種類 | 主な生息地 | 主な特徴 |
| カワラハンミョウ | 河川中・下流域の広い河原や海岸の砂丘など、乾燥した砂地。 | 体色や斑紋に個体差があり、広大な裸地環境の減少により激減しています。 |
| シロヘリハンミョウ | 海岸の河口部など湿潤な砂泥地。アシ原を伴う場所。 | 熱帯系のハンミョウで、日本国内では生息地が極めて局所的です。 |
| アイヌハンミョウ | 河川の中・上流域の河原の砂地と草地の境界付近。 | 名前とは異なり北海道から九州まで広く分布しています。 |
| コハンミョウ | 比較的乾燥の激しい広大な河原や海岸の砂丘。 | 全長8~11mm前後と、非常に小さなハンミョウです。 |
💡 ハンミョウの種類を見分けるポイント
ハンミョウの仲間を判別する際には、以下の3点に注目すると見分けやすくなります。
- 色彩と光沢
鮮やかなナミハンミョウか、地味なニワハンミョウ系か。 - 前翅の斑紋(白い模様)
斑点の形、数、位置、お尻の先の白い紋の有無。 - 生息環境
林道、庭先、河原、砂浜、山地など、どこで見たかが種類を特定する上で最も重要です。
日本には多様なハンミョウの種類が生息しており、それぞれが独自の進化を遂げてきました。
彼らの生息環境に思いを馳せながら、地上の宝石探しを楽しんでみてください。


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