「地上の宝石」「ミチオシエ」と呼ばれる美しいハンミョウを自宅で飼育してみたいと考える方もいるかと思います。
しかし、ハンミョウは特殊な肉食の生態を持つため、一般的な昆虫と比べて飼育難易度は高めとされています。
この記事では、ハンミョウ(ナミハンミョウを主とする)を健康に飼育するための環境、エサ、そして幼虫の飼育方法まで詳しく解説します。
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1. ⚠️ ハンミョウ飼育の難易度と準備
ハンミョウの飼育が難しいとされる最大の理由は、その肉食性にあります。
- 難易度: 高め
- 最大のハードル
生きた獲物(生餌)の確保と給餌。
彼らは狩りをするハンターであり、ただのエサではなく、動くものに反応して捕食します。
飼育に必要なもの
| 項目 | 詳細 | 補足 |
| 飼育ケース | 大きめのプラケース(中〜大サイズ)。 フタはしっかりと閉まるもの。 | 俊足で、すぐに飛んで逃げるため、脱走防止は徹底が必要です。 |
| 床材 | 砂または粘土質の土を深めに(10〜20cm程度)。 | 成虫は産卵のため、幼虫は巣穴を掘るために、ある程度の深さが必要です。 |
| 環境維持 | 霧吹き(加湿用)、転倒防止の小枝や石。 | ハンミョウは乾燥に弱いため、適度な湿度を保つことが重要です。 |
2. 🍖 成虫の飼育:エサと給餌のポイント
成虫のハンミョウを飼育する上での最重要課題は、エサ(生き餌)を確保し、正しく与えることです。
A. エサの種類(肉食)
- 基本: アリ、ハエ、コオロギの幼体、ミルワームなど。
- 代用食: ペットショップで販売されているコオロギやミルワームが便利です。昆虫ゼリーやソーセージを食べるという報告もありますが、基本は動く生餌が最適です。
- 給餌頻度: 毎日、または数日に一度、個体の体格に合わせて与えます。
B. 給餌のコツ
- 動かす
ハンミョウは動く獲物に反応します。
生餌を飼育ケース内に放し、ハンミョウが狩りをするのを待ちます。 - 逃走に注意
フタを開けてエサを与える際、一瞬の隙にハンミョウが飛んで逃げることがあります。
給餌時は細心の注意を払いましょう。
3. 🛠️ 幼虫の飼育:「ニラムシ」の特殊な環境
ハンミョウの幼虫(ニラムシ)は、成虫とは全く異なる飼育環境が必要です。
- 飼育容器
深さが20cm以上ある容器が望ましいです。 - 床材
幼虫は垂直な縦穴を掘るため、湿らせた粘土質の土や砂を深めに敷き詰めます。- 注意点
容器の底が浅すぎると、幼虫が横に穴を掘り、他の幼虫と接触して共食いする危険性が高まります。
- 注意点
- エサ
穴の入口に潜んでいる幼虫の近くに、アリや小さく切ったソーセージなどをそっと置き、小刻みに動かして刺激し、食いつかせる必要があります。給餌には根気が必要です。
4. 💡 長期飼育と冬越し(越冬)
ハンミョウは飼育環境が整えば、長期飼育や繁殖も可能です。
- 繁殖
適切な深さと湿度の砂地があれば、メスが産卵することがあります。 - 越冬(冬越し)
成虫は冬になると土に潜って集団越冬します。
幼虫はさらに深い穴を掘って過ごします。飼育下では、低温になりすぎない、凍らない場所(玄関、冷暗所など)で管理し、極度の乾燥を避けて春を待ちます。
ハンミョウの飼育は手間がかかりますが、その俊敏な狩りや宝石のような美しさは、飼育者にとって大きな魅力となると思います。
生態を理解し、彼らが本来暮らしている環境を再現してあげることが、飼育成功への鍵となります。


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