ゲンゴロウの飼育方法まとめ|必要な用品から餌、冬越しのコツまで解説

ゲンゴロウ 水辺の昆虫

「水中のハンター」として知られるゲンゴロウ。
その力強く泳ぐ姿を自宅で観察したいという方は多いでしょう。
しかし、ゲンゴロウは非常にデリケートな一面を持ち、正しい知識なしでは長期飼育が難しい昆虫でもあります。

本記事では、ゲンゴロウ(特にナミゲンゴロウやクロゲンゴロウ)を元気に育てるための水槽セットの組み方、適切な餌、水質管理のコツを詳しく解説します。


1. ゲンゴロウ飼育に必要な基本用品セット

ゲンゴロウは「水生昆虫」ですが、一生を水の中で過ごすわけではありません。
彼らの生態に合わせた水槽環境を整えることが、飼育の第一歩です。

  • 飼育容器(水槽)
    45cm〜60cm程度のサイズが理想的です。
    ゲンゴロウは泳ぎが非常に活発なため、ある程度の広さが必要です。
  • 蓋(ふた)は必須!
    ゲンゴロウは夜間に飛行して脱走します。
    わずかな隙間からも逃げ出すため、重しができる網目状の蓋を用意しましょう。
  • 足場(水草・流木)
    ずっと泳ぎ続けると体力を消耗して溺れてしまいます。
    ホテイアオイなどの浮き草や、掴まって休憩できる流木を必ず入れてください。
  • 陸場(上陸ポイント)
    呼吸のために水面へ上がりやすくするため、また、日光浴のような行動をとることもあるため、一部を陸地にするか、水面から出る高さの流木を配置します。

2. 餌の種類と与え方の頻度

ゲンゴロウは肉食性(スカベンジャー)です。
自然界では死んだ魚や他の昆虫を食べていますが、飼育下では以下のような餌が適しています。

  • おすすめの餌
    • 昆虫
      煮干し(塩抜き)、冷凍赤虫、コオロギ。
    • 魚介
      生の刺身(少量)、淡水魚の切り身。
    • 人工飼料
      亀の餌(カメプロスなど)に慣れる個体も多く、栄養バランスが良いのでおすすめです。
  • 与える頻度と注意点
    成虫なら2〜3日に1回程度で十分です。
    食べ残しはすぐに水質を悪化させます。食べ終わったら残飯はすぐに取り除きましょう。

3. 水質管理とフィルターの選び方

ゲンゴロウ飼育で最も多い失敗は「水の汚れ」による病気です。

  • フィルターの設置
    投げ込み式フィルター(ロカボーイ等)や上部フィルターがあると便利ですが、水流が強すぎるとゲンゴロウが疲れてしまいます。水流を弱める工夫をしましょう。
  • 水換え
    フィルターがあっても週に1/3〜半分程度の水換えが推奨されます。
    カルキ抜きをした水道水を使用してください。
  • 皮膚病に注意
    水が汚れると体にカビが生える「水カビ病」にかかりやすくなります。
    清潔な水を保つことが長生きの秘訣です。

4. 冬越しと繁殖への挑戦

ゲンゴロウは日本の昆虫ですので、四季に合わせた管理が必要です。

  • 冬越し
    水温が下がると活動が鈍くなり、底の方でじっとしています。
    凍結しない程度の場所で、静かに見守りましょう。
    ヒーターで加温して一年中活動させることも可能ですが、寿命が短くなる傾向があります。
  • 産卵の準備
    春先にペアリングを狙うなら、産卵場所となる「水生植物(オモダカやコナギなど)」が不可欠です。
    メスは植物の茎の中に卵を産み付けるため、生きた植物を用意してください。

5. 飼育にあたっての重要なルール(法規制について)

現在、日本最大の「ナミゲンゴロウ(ゲンゴロウ)」は、「特定第二種国内希少野生動植物種」に指定されています。

  • 売買の禁止
    販売目的の捕獲や、ショップ・ネットオークション等での売買は法律で厳しく禁止されています。
  • 譲渡の制限
    無償であっても譲渡には制限があるため、自身で採集した個体を大切に飼育することが基本となります。

まとめ:ゲンゴロウ飼育は「水質の維持」がすべて

ゲンゴロウを長期飼育するコツは、「広い水槽」「脱走防止」「こまめな水換え」の3点に集約されます。

水質管理を徹底すれば、数年にわたってその勇姿を楽しむことができる素晴らしいペットになります。
絶滅が危惧される貴重な昆虫であることを忘れず、責任を持って飼育を楽しみましょう。

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