春から秋にかけて、大切に育てている野菜や花にびっしりと付着する「アブラムシ」。
その繁殖力は凄まじく、放っておくと植物を枯らしてしまうだけでなく、ウイルス病を媒介することもあります。
この記事では、アブラムシが発生する原因、植物への被害、そして初心者でもできる効果的な駆除方法を分かりやすくまとめました。
アブラムシとは?その驚異の生態と種類
アブラムシは、体長1〜4mmほどの小さな昆虫ですが、世界中に約4,000種、日本だけでも約700種以上が存在します。
爆発的に増える「単為生殖」
アブラムシの最大の特徴は、「メスだけで子供を産める」ことです。
春から夏にかけては、交尾をせずに自分と同じコピー(幼虫)を直接産み落とします。
さらに、生まれた子供も数日で出産が可能になるため、短期間で爆発的に増殖するのです。
羽が生えて移動する?
普段は羽がなくじっとしていますが、生息密度が高くなったり植物が枯れ始めたりすると、羽のある「有翅型(ゆうしがた)」が現れ、新しい植物を求めて飛び立ちます。
アブラムシが発生する主な原因
なぜ、特定の植物にだけアブラムシが集中するのでしょうか?それには明確な理由があります。
- 窒素肥料のやりすぎ
肥料を与えすぎると、植物体内のアミノ酸が増え、アブラムシが好む栄養状態になります。 - 風通しと日当たりの悪さ
密集して植えられた植物は、アブラムシにとって隠れやすく、繁殖に適した環境です。 - アリとの共生関係
アリはアブラムシが出す甘い蜜(甘露)をもらう代わりに、天敵であるテントウムシからアブラムシを守ります。
アリが多い場所はアブラムシも増えやすいのです。
植物への被害:ただ汁を吸うだけではない!
アブラムシによる被害は、見た目の不快感だけではありません。
- 吸汁による生育阻害
植物の栄養を直接吸い取るため、新芽が縮れたり、成長が止まったりします。 - すす病の発生
排泄物(甘露)にカビが生え、葉が真っ黒に覆われる「すす病」を引き起こします。
光合成ができなくなり、植物が弱ります。 - ウイルス病の媒介
吸汁の際にウイルスを植物に注入し、「モザイク病」などの不治の病を広めてしまいます。
【決定版】アブラムシを駆除・予防する対策
薬剤を使いたくない方から、即効性を求める方まで、状況に合わせた対策をご紹介します。
① 無農薬・手作業で駆除
- 粘着テープ
数が少ないうちは、養生テープなどでペタペタと取り除きます。 - 牛乳・片栗粉スプレー
牛乳を薄めてスプレーし、乾燥させて窒息させます(後で水で洗い流す必要があります)。 - 木酢液(もくさくえき)
独特の臭いでアブラムシを寄せ付けない予防効果があります。
② 天敵「テントウムシ」を味方につける
前述の通り、テントウムシはアブラムシの最強の天敵です。
テントウムシを見つけたら、そのまま植物に移してあげましょう。
過剰な農薬散布を控えることで、自然とテントウムシが住み着く庭になります。
③ 化学薬剤で一掃する
大量発生してしまった場合は、農薬の使用も検討しましょう。
- 浸透移行性剤(オルトランなど)
植物に成分を吸収させ、それを吸ったアブラムシを退治するタイプ。
持続性が高いのが特徴です。 - 脂肪酸エステル系(やさお酢など)
食品成分由来で、収穫直前まで使える安心なタイプも人気です。
アブラムシを寄せ付けないための予防策
- アルミホイルを敷く
アブラムシは光の反射を嫌うため、株元にキラキラしたものを置くと飛来を防げます。 - 防虫ネットを張る
有翅型アブラムシの侵入を物理的にブロックします。 - コンパニオンプランツ
避効果のあるハーブ類(ミントやバジル)を一緒に植えるのも有効です。
まとめ:早めの発見と対策が重要!
アブラムシ対策の鉄則は、「1匹見つけたらすぐに対処すること」です。
毎日植物を観察し、新芽の裏や茎の先に注目しましょう。
自然の力を借りるなら、テントウムシが活動しやすい環境を整えることも立派な対策の一つです。
生態系を活かしながら、大切な植物をアブラムシから守りましょう。


コメント