モンシロチョウは、身近で観察しやすく、学校の授業やご家庭での飼育の題材としても人気が高い昆虫です。
しかし、「幼虫のエサはキャベツだけ?」「成虫は何を食べるの?」といった疑問を持つ方も多いいかもしれません。
この記事では、モンシロチョウの幼虫と成虫がそれぞれ何を食べるのか、また、安全なエサの用意の仕方や飼育の注意点について解説します。
モンシロチョウの「エサ」は成長段階で大きく変わる
モンシロチョウは、幼虫と成虫で食べるものが全く異なります。
これは、体の構造や生きる目的が、それぞれの段階で異なるためです。
幼虫(アオムシ)のエサ:アブラナ科の植物
モンシロチョウの幼虫、いわゆる「アオムシ」は、特定の植物しか食べません。
彼らの食草は「アブラナ科」の植物に限定されます。
| エサとなる植物(幼虫) | 特徴と注意点 |
| キャベツ | 最も一般的で手に入りやすい。 外側の葉は農薬が残留している可能性があるため、内側の葉や無農薬のものを推奨。 |
| 小松菜(コマツナ) | 葉が柔らかく、孵化したばかりの小さな幼虫に適している。 根付きのものを購入し、しばらく育ててから与えると農薬の心配を減らせる。 |
| ブロッコリー・ダイコン | 葉の部分も食草となる。 家庭菜園などでの飼育時に利用しやすい。 |
| ナズナ、セイヨウカラシナ | 河川敷などに自生している野生のアブラナ科植物。農薬の心配がない。 |
- ⚠️【重要】農薬に注意!
市販の野菜を使用する場合、幼虫が死んでしまう原因のほとんどは残留農薬です。
できる限り無農薬で栽培されたもの、または自分で栽培したものを与えましょう。
市販のキャベツは外側の硬い葉を避け、よく洗ってから内側の葉を与えるようにしてください。 - 葉の柔らかさも重要
特に孵化直後の小さな幼虫には、硬い葉では食いつけず弱ってしまうことがあります。
柔らかい葉を選ぶようにしましょう。
成虫(チョウ)のエサ:花の蜜や水分
モンシロチョウの成虫は、もはや葉を食べません。
彼らの目的は子孫を残すことであり、そのためのエネルギー源として花の蜜を吸います。
野外では主にタンポポ、アブラナ、アザミなどの花の蜜を吸いますが、飼育下では砂糖水や昆虫ゼリーなどで代用します。
| エサの代用品(成虫) | 作り方と注意点 |
| 砂糖水 | 水25ccに対し、砂糖を小さじ1杯程度(ほんのり甘いと感じる程度)に薄める。 濃すぎると口吻が詰まる可能性があるため注意が必要。 |
| 蜂蜜水 | 蜂蜜を水で薄める。こちらも粘度が高くならないよう注意。 |
| 昆虫ゼリー | カブトムシなどに使う昆虫ゼリーも代用可能。 |
- エサの与え方:成虫が自力で吸えない場合は、綿棒などに砂糖水を染み込ませ、やさしく口吻(ストロー状の口)を出させて触れさせてあげましょう。
飼育を成功させるためのエサの管理と注意点
モンシロチョウの飼育を成功させるには、エサの管理と飼育環境を清潔に保つことが非常に重要です。
- エサの鮮度
幼虫のエサとなる葉は新鮮なものを保ち、腐らないように定期的に交換してください。 - 清潔さ
幼虫のフン(糞)は水っぽく、放置すると病気の原因になります。
飼育ケースの底にキッチンペーパーなどを敷き、毎日フンを取り除き、清潔を保ちましょう。 - 移動方法
幼虫を移動させる際は、葉っぱごと動かすか、筆などに乗せてそっと移動させます。
手で直接触っても基本的には大丈夫ですが、優しく扱いましょう。
まとめ:モンシロチョウの「エサ」で自由研究を深めよう
モンシロチョウは、成長段階によってエサがガラリと変わる興味深い生態を持っています。
- 幼虫:アブラナ科の葉(キャベツ、小松菜など)
- 成虫:花の蜜(砂糖水などで代用可)
安全なエサを用意し、適切な環境で飼育すれば、小さな命の成長を最後まで見届けることができるかと思います。


コメント