草むらを歩くと元気に飛び出すバッタ。
一口にバッタと言っても、日本には多種多様な種類が存在します。
巨大なトノサマバッタから、家庭菜園の天敵であるショウリョウバッタまで、その生態や特徴は驚くほど個性的です。
この記事では、身近で見られるバッタの種類を網羅的に解説し、初心者でも簡単にできる見分け方のポイントを紹介します。
日本で見られる代表的なバッタの種類
まずは、公園や河川敷などでよく目にする代表的なバッタを見ていきましょう。
トノサマバッタ
バッタ界の王様といえば、やはりトノサマバッタです。
- 特徴
体長が40mm〜65mmと非常に大きく、強力な後脚で高く遠くへ飛びます。 - 色
緑色型と褐色型(茶色)が存在し、周囲の環境に合わせて変化します。 - 生息地
日当たりの良い河川敷や草原。
ショウリョウバッタ
日本最大級のバッタで、細長い頭が特徴です。
- 特徴
メスは非常に大きく(最大80mm以上)、オスは半分ほどのサイズです。 - 別名
「チキチキバッタ」とも呼ばれます。これはオスが飛行中に羽をこすり合わせ、「チキチキ」と音を出すためです。 - 生息地
公園の芝生や庭など、非常に身近な場所にいます。
クルマバッタとクルマバッタモドキ
トノサマバッタによく似ていますが、見分けポイントがあります。
- クルマバッタ
後ろ羽に黒い模様があり、飛ぶと車輪のように見えることから名付けられました。 - クルマバッタモドキ
クルマバッタよりも背中の盛り上がりが弱く、より一般的によく見かける種類です。
イナゴ(稲子)の仲間
田んぼで見かけるバッタの代表格です。
- コバネイナゴ
最も一般的。羽が短めです。 - ハネナガイナゴ
羽が長く、腹部の先まで隠れます。 - 特徴
バッタとの違いは「喉に突起(のどぼとけ)があること」です。
食用としても知られています。
【図解】バッタの見分け方:3つのチェックポイント

似ているバッタが多くて判別できないときは、以下の3点をチェックしてみましょう。
| 種類 | 頭の形 | 背中の線・盛り上がり | 飛ぶ時の音 |
| トノサマバッタ | 丸みがある | 背中がなだらか | 羽音が大きい |
| ショウリョウバッタ | 尖っている | 平らで細長い | チキチキと鳴る |
| クルマバッタ | 丸みがある | 背中が山のように盛り上がる | 特徴的な羽の模様 |
| オンブバッタ | 尖っている | 背中が少し平ら | ほぼ無音 |
豆知識:オンブバッタとショウリョウバッタの違い
どちらも頭が尖っていますが、オンブバッタの方が体が太短く、ショウリョウバッタに比べてあまり飛びません。また、名前の通りメスの背中にオスが乗っている姿がよく見られます。
バッタの生態と不思議な習性
バッタの生態を知ると、観察がさらに楽しくなります。
相変異(そうへんい)という驚きの変化
バッタ(特にトノサマバッタ)には、育つ環境によって姿を変える「相変異」という性質があります。
- 孤独相
個体数が少ない環境で育った姿。緑色で脚が短く、おとなしい。 - 群生相
過密状態で育った姿。黒っぽくなり、羽が長く、長距離移動に適した体になる。これが大群となって農作物を食い荒らす「蝗害(こうがい)」の原因です。
不完全変態
バッタは、カブトムシのような「さなぎ」の期間がありません。
卵から孵化した幼虫は、すでに成虫とそっくりの形をしており、脱皮を繰り返して成長します。
これを不完全変態と呼びます。
鳴き声の秘密
バッタの中には、鳴き声を出す種類がいます。
- 脚と羽をこする
後ろ脚を羽にこすりつけて音を出します。 - 羽同士をこする
キリギリスなどは羽同士をこすります。 - 飛行音
前述のショウリョウバッタのように、飛ぶときに羽を打つ音。
自宅でできる!バッタの飼育方法
お子様の自由研究にも最適なバッタの飼育。成功のコツをまとめました。
準備するもの
- 飼育ケース
風通しの良いメッシュ付きのものが理想です。 - 床材
乾燥した土や新聞紙。 - 止まり木
脱皮をするための足場として必要です。
餌(エサ)は何をあげる?
バッタは基本的に「イネ科」の植物を好みます。
- エノコログサ(ネコジャラシ)
- ススキ
- キャベツやレタス(水分補給になりますが、農薬に注意)
注意点: バッタは非常に食欲旺盛です。エサを切らすと、共食いをしてしまう可能性があるため、新鮮な葉っぱを常に切らさないようにしましょう。
害虫としての側面:家庭菜園を守るには
可愛いバッタですが、家庭菜園にとっては困りもの。特にオンブバッタは、シソ(バジル)やキク科の植物の葉をボロボロにしてしまいます。
対策方法
- 防虫ネット
物理的に遮断するのが最も効果的です。 - 手で捕まえる
早朝など動きが鈍い時間に捕獲します。 - 木酢液(もくさくえき)
忌避効果が期待できますが、完全ではありません。
まとめ:バッタ観察で自然を楽しもう
日本のバッタは、その多様な姿や生態で私たちを楽しませてくれます。
- 大きな獲物を探すならトノサマバッタ
- 芝生で簡単に見つけたいならショウリョウバッタ
- 田んぼの風景を楽しむならイナゴ
次に外を歩くときは、足元に注目してみてください。
よく観察すると、それぞれの種類が持つ美しさや力強さに気づくはずです。
バッタに関するQ&A
Q: バッタに噛まれると痛い?
A: トノサマバッタなどの大型種は噛む力が強く、チクッとする痛みを感じることがあります。
毒はありませんが、注意して持ちましょう。
Q: 寿命はどのくらい?
A: ほとんどのバッタは春に孵化し、秋に卵を産んで一生を終えます(約半年〜1年)。
一部の種は成虫のまま冬を越すこともあります。
