夏の風物詩といえば、カブトムシと並んで子どもから大人まで大人気のノコギリクワガタ!その特徴的な大きなアゴと、光沢のある赤褐色の体が魅力的で、一度は捕まえてみたいと憧れる方も多いのではないでしょうか。
しかし、「どこで、どうやったら捕まえられるの?」と、具体的な方法が分からずに悩んでいる方も少なくありません。
この記事では、ノコギリクワガタ捕獲の成功率を格段に上げるための、実践的な情報を徹底的に解説します。
生態から必要な道具、そして具体的な捕まえ方まで、初心者の方でも安心して実践できる内容でお届けします。
これを読めば、きっと憧れのノコギリクワガタをゲットできるはずです!
ノコギリクワガタを捕まえる前に知っておきたい基礎知識
効果的にノコギリクワガタを捕獲するためには、彼らがどんな生き物なのか、その生態を深く理解することが非常に重要です。
闇雲に探し回るよりも、彼らの習性を知ることで、捕獲場所や時間を絞り込むことができます。
1. 活動時期と最適な時間帯|いつ、どの時間に行けばいい?
ノコギリクワガタの主な活動時期は、日本の多くの地域で7月上旬から9月下旬頃までです。
特に、彼らが最も活発に活動し、見つけやすいのは、梅雨が明け、本格的な夏が始まる7月中旬から8月にかけての時期。
この期間は、個体数も多く、捕獲のチャンスが大幅にアップします。
そして、彼らが最も活発にエサである樹液を吸いに来る時間帯は、夜間から早朝にかけてです。
具体的には、日没後の夕方から夜、そして夜が明ける前の午前3時から5時頃が「ゴールデンタイム」と言われています。
この時間帯は、気温が下がり活動しやすくなるため、樹液に集まる個体が増えます。
日中に見つけることも不可能ではありませんが、彼らは物陰に隠れていることが多いため、夜間に比べると発見は格段に難しくなります。
2. 生息場所と環境|どこに行けば出会える?
ノコギリクワガタは、主に広葉樹林に生息しています。
特に以下の条件が揃っている場所は、彼らが好んで集まる「ホットスポット」となる可能性が高いです。
- クヌギ、コナラ、カシ、ヤナギなどの樹液が出る木がある場所
これらはノコギリクワガタの大好物である樹液を豊富に出す木々です。
樹液が出ている場所には、ノコギリクワガタだけでなく、カブトムシやカナブン、スズメバチなども集まっていることが多いので、周囲をよく観察してみましょう。 - カブトムシも生息していそうな場所
ノコギリクワガタとカブトムシは、生息環境が非常に似ています。
そのため、過去にカブトムシが見つかった場所や、カブトムシが生息していると知られている場所は、ノコギリクワガタもいる可能性が非常に高いです。 - 比較的湿度が高く、薄暗い場所
彼らは乾燥を嫌い、日中の強い日差しを避ける傾向があります。
そのため、林道沿いの少し奥まった場所や、日中でも木々で光が遮られているような、少し湿り気のある薄暗い場所を好みます。 - 公園や雑木林、里山: 都市部でも、管理された公園内の林や、自然が比較的多く残る雑木林、そして郊外の里山などは、ノコギリクワガタが生息している可能性が高いエリアです。探す際は、立ち入りが許可されている場所を選びましょう。
ノコギリクワガタ捕まえ方|実践的なテクニック

ノコギリクワガタを捕まえるための具体的な方法をいくつかご紹介します。
それぞれの方法にはメリット・デメリットがありますので、状況に応じて使い分けましょう。
1. 樹液採集|定番にして最も効率的な捕獲法!
樹液採集は、ノコギリクワガタ捕獲の最も基本的で、かつ最も効率的な方法です。
彼らが最も集まる場所を直接狙うため、成功率が高いのが特徴です。
- 樹液が出ている木を探索する
夜間に懐中電灯を手に、クヌギやコナラなどの樹液が出ている木を探して回ります。
幹に黒っぽい液が滲んでいたり、甘酸っぱい匂いが漂っていたりする場所が狙い目です。
樹液には様々な昆虫が集まっているので、樹液周りをじっくりと観察してください。 - 木に止まっているノコギリクワガタを見つける
樹液に夢中になっているノコギリクワガタは、意外と無防備です。
幹や枝にしっかりと止まっているのを見つけたら、慎重に近づきます。 - そっと捕まえる
見つけたら、驚かせないように、そして何よりも自分の指を挟まれないように、必ず軍手や手袋を着用してそっと手で捕まえましょう。
ノコギリクワガタのアゴは強力で、挟まれると非常に痛いです。
もし高い場所にいて手が届かない場合は、伸縮式の虫取り網を活用すると良いでしょう。
網で受け止めるように捕まえるのがコツです。
2. ライトトラップ|夜間の効率的な広範囲捕獲法!
夜間に光に集まる昆虫の習性を利用した方法です。
広範囲から虫を集めることができるため、効率的に多くの種類を観察・捕獲したい場合に有効です。
- 白い布と強力な光源を用意する
広い白いシーツやタープを、木と木の間に吊るしたり、建物の壁に固定したりして設置します。
その布の前を、LEDライトや投光器などの強力な光源で明るく照らします。 - 虫が集まるのを待つ
ライトの光に誘われて、ノコギリクワガタを含む様々な夜行性の昆虫が飛来し、白い布に止まったり、その周辺に落ちてきたりします。 - 飛来したノコギリクワガタを捕まえる
布に止まっている個体や、地面に落ちている個体を素早く捕獲します。
この方法は、広範囲から昆虫を集めることができる反面、目的のクワガタ以外にも多くの虫が集まるため、見分ける目が必要になります。
3. 蹴り採集(揺すり採集)|昼間でも試せる裏技!
日中にどうしてもノコギリクワガタを見つけたい場合や、高い場所にいて手が届かない場合に試せる方法です。
- ノコギリクワガタがいそうな木を見つける
樹液が出ている跡がある木や、幹に洞(うろ)があるような、クワガタが隠れていそうな木を探します。 - 木を軽く蹴る(または揺する)
幹の根元付近を、強すぎない力で数回蹴ってみます。
または、木の幹をしっかりと掴んで揺すってみます。 - 落ちてきたノコギリクワガタを捕まえる
驚いたノコギリクワガタが、枝からポロリと落ちてくることがあります。
地面に落ちたものを素早く捕まえましょう。
ただし、落ちてこないこともありますし、落ちたとしても見失ってしまうこともあるので、地面に白いシートなどを敷いておくと見つけやすくなります。
捕獲時に必ず用意したい持ち物リスト
安全かつ快適に、そして効率的にノコギリクワガタを捕獲するために、以下の道具を準備しておきましょう。
- 懐中電灯
夜間の探索には絶対に必要です。
LEDライトなど、明るくて広範囲を照らせるものがおすすめです。
予備の電池も忘れずに。 - 虫かご
捕まえたノコギリクワガタを入れて持ち帰るための必須アイテムです。
通気性が良く、虫が逃げ出さないしっかりとした蓋付きのものを選びましょう。 - 軍手・手袋
ノコギリクワガタの強力なアゴから指を守るために、必ず着用してください。
厚手のものがより安全です。 - 虫取り網
高い枝にいるノコギリクワガタを捕獲する際に非常に役立ちます。
柄が伸縮するタイプだと、様々な高さに対応できて便利です。 - 動きやすい服装(長袖・長ズボン)
林の中を歩くため、枝や葉で体を傷つけないよう、長袖・長ズボンが基本です。
また、虫刺されやマダニなどの対策にもなります。 - 虫よけスプレー
蚊やブヨなどの不快な虫刺されから身を守るために、必ず持参しましょう。 - 飲み物
特に夏場は熱中症対策として、水分補給はこまめに行いましょう。 - タオル
汗を拭いたり、手を拭いたりするのに便利です。 - エサ(ゼリーなど)
捕獲したクワガタを一時的に入れておく場合や、持ち帰る道中に弱らせないようにするために、昆虫ゼリーを数個持っていくと安心です。
捕獲時の注意点とマナー|自然と共存するために
楽しいクワガタ捕獲ですが、自然環境を保護し、周囲に迷惑をかけないためのマナーを守ることが非常に重要です。
- 立ち入り禁止区域には絶対に入らない
私有地や公園の立ち入り禁止区域、保護区などには決して足を踏み入れないでください。
トラブルの原因となります。 - 夜間の音量に注意する
夜間に活動する際は、他の利用者や近隣住民の迷惑にならないよう、話し声や足音に十分注意し、静かに行動しましょう。 - 必要以上の乱獲は避ける
飼育する分だけ捕獲し、必要以上の乱獲は、その地域の生態系に悪影響を与える可能性があります。
未来の子供たちのためにも、資源を大切にしましょう。 - 木や植物を傷つけない
樹液が出ている木でも、無理に樹皮を剥がしたり、傷つけたりする行為は絶対にやめましょう。
自然破壊につながります。 - ゴミは必ず持ち帰る
持ち込んだゴミはすべて持ち帰り、自然の中に放置しないようにしましょう。 - ハチなどに注意する
樹液にはスズメバチなどの危険なハチ類も集まります。
ハチがいる場合は無理に近づかず、安全を確保してから捕獲活動を行いましょう。
まとめ
ノコギリクワガタの捕まえ方は、彼らの生態を理解し、適切な時間帯と場所で、そして何よりも正しい方法とマナーを守って行えば、決して難しいものではありません。
この記事で解説したポイントを参考に、ぜひあなたも夏の思い出作りにノコギリクワガタを捕まえに行ってみてください!
捕まえたノコギリクワガタは、大切に飼育して、その力強くも美しい姿を存分に観察し、夏の魅力を味わい尽くしましょう!
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