アリはなぜ甘いものが好きなのか?生態から対策まで解説

アリ アリ

庭やキッチンで見かけるアリたち。
彼らが真っ先に集まってくるのは、決まって「砂糖」や「お菓子」などの甘いものです。
「アリ=甘党」というイメージは誰もが持っていますが、なぜ彼らはあれほどまでに甘いものに執着するのでしょうか?

この記事では、アリが甘いものを好む生物学的な理由から、彼らの驚異的な探索能力、そして家の中に侵入させないための具体的な対策まで解説していきたいと思います。

アリが甘いものを好む「3つの科学的理由」

アリが甘いものを探すのは、単なる嗜好ではなく、生き残るための生存戦略です。

① 効率的なエネルギー源

砂糖(糖分)は、炭水化物の中でも非常に分解が早く、即効性の高いエネルギー源です。
アリは小さな体で休むことなく動き回り、巣の拡張や幼虫の世話、外敵との戦いを行います。
この激しい代謝を支えるには、効率よくカロリーを摂取できる糖分が不可欠なのです。

② 幼虫と女王アリへの供給

働きアリが持ち帰った糖分は、巣全体で共有されます。
特に、産卵を担う女王アリや、成長著しい幼虫にとって、高エネルギーな糖分は群れの維持・拡大に直結する重要な「燃料」となります。

③ 「甘露(かんろ)」との共生関係

自然界において、アリの主要な糖分供給源はアブラムシやカイガラムシが排出する「甘露」です。
アブラムシは植物の汁を吸い、余分な糖分を排泄します。
アリはこの甘露をもらう代わりに、アブラムシを天敵(テントウムシなど)から守るという「相利共生」の形をとっています。

なぜアリは「甘いもの」をあんなに早く見つけるのか?

お菓子をこぼして数分後には、どこからともなくアリの行列ができていることがあります。
この驚異的なスピードの秘密は、彼らの化学的コミュニケーションにあります。

フェロモンの道(道しるべフェロモン)

1匹のスカウト(偵察アリ)が餌を発見すると、その餌の一部を巣に持ち帰る際、地面に「道しるべフェロモン」という化学物質を塗りつけます。

  • 増幅する信号
    他のアリはこの臭いを辿って餌場へ向かい、さらに帰り道にフェロモンを上書きします。
  • 最短ルートの構築
    多くの個体が通るほど臭いは強くなり、効率的な「アリの行列」が完成します。
  • 情報の更新
    餌がなくなればフェロモンは揮発して消えるため、無駄なエネルギーを使わずに済みます。

アリの種類によって好みが違う?

実は、すべてのアリが「甘いものだけ」を食べているわけではありません。
アリの食性は大きく分けて2つのタイプがあります。

タイプ好みの餌代表的なアリ
吸蜜性(甘党)砂糖、果実、花の蜜、甘露イエヒメアリ、ルリアリ
雑食性・肉食性昆虫の死骸、油分、タンパク質クロオオアリ、アミメアリ

家庭で問題になる「イエヒメアリ」などは非常に甘いものを好みますが、種類によっては唐揚げの食べカス(油分・タンパク質)に群がることもあります。

家庭でのアリ対策と防除法

アリの侵入を防ぎ、すでに入ってしまった行列を駆逐するための具体的なステップを紹介します。

侵入させない環境づくり

  • 密封保存
    砂糖、ハチミツ、お菓子の袋は、ジップロックや密閉容器で管理しましょう。
  • こまめな清掃
    テーブルの下やキッチンの隅にある、目に見えないほど小さな食べカスもアリには十分なご馳走です。
  • 経路の遮断
    窓の隙間やエアコンの導入管など、侵入経路となる場所を隙間テープやパテで塞ぎます。

侵入してしまった時の対処

  1. 行列を「消臭」する
    アリの行列を見つけたら、ただ潰すだけでなく、アルコール除菌スプレーや洗剤で拭き取ってください。
    これにより「道しるべフェロモン」が消え、後続のアリが迷子になります。
  2. 食毒剤(ベイト剤)の活用
    目に見えるアリを殺すだけでは、巣の中にいる女王アリを叩けません。
    「アリの巣コロリ」などのベイト剤は、働きアリが「美味しい餌」として巣に持ち帰り、巣ごと全滅させる効果があります。

まとめ:アリの習性を知って賢く共生・対策しよう

アリが甘いものを好むのは、彼らがコロニー(集団)を維持するために編み出した、最も効率的な生存戦略の結果です。
その驚異的な嗅覚とチームワークは、生物学的に非常に洗練されています。

もし家の中でアリに困っているなら、まずは「フェロモンを消すこと」と「餌となる糖分を物理的に遮断すること」を意識してみてください。

さらに詳しく知りたい方へ

特定の種類のアリ(ヒアリなどの特定外来生物)を見つけた場合は、決して素手で触れず、お住まいの自治体や専門の駆除業者に相談してください。

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