アメンボは、そのユニークな水面での動きから、子供たちの自由研究や、大人の癒やしの対象として近年飼育の注目度が高まっています。
しかし、水生昆虫であるアメンボの飼育には、いくつか押さえておくべき重要なポイントがあります。
この記事では、「アメンボ 飼育」を検討している方が知りたい情報を網羅した、飼育環境の準備からエサやり、注意点までを解説します。
飼育の基本|快適な環境を整える3つのポイント
アメンボを健康に飼育するためには、「水面」の環境が最も重要になります。
適切な容器の選び方と水の深さ
- 容器
広口で底が浅い水槽やプラスチックケースが理想的です。
アメンボは水面を主な活動場所とするため、水面積が広いことが重要です。 - 深さ
水の深さは5cm~10cm程度で十分です。
深すぎるとアメンボが万が一沈んだ場合に自力で上がりにくくなる可能性があります。 - フタ
アメンボは飛ぶことができるため、必ずメッシュや通気孔のあるフタを使用し、脱走を防ぎましょう。
水質の維持と水草
- 水質
基本的に、カルキを抜いた水道水(汲み置き水)で十分です。
頻繁な水換えはストレスになるため、水が汚れてきたら1/3程度の部分換水を行います。 - レイアウト
隠れ場所や産卵場所となる浮き草(アオウキクサ、ホテイアオイなど)や水面に浮かぶ小枝を入れましょう。
アメンボが休憩できる足場にもなります。
アメンボの食卓|エサの種類と与え方
アメンボは肉食性の昆虫です。
飼育下では、自然に近いエサを用意する必要があります。
理想的なエサ(水面に落ちた昆虫)
アメンボは水面に落ちて動かなくなった、または弱った昆虫を捕食します。
- 生きたエサ
コオロギの幼体、羽化したばかりのショウジョウバエ、小さなミルワームなど、水面に浮かんでくれる昆虫が最適です。 - 与え方
エサは水面にそっと落とします。
動かない場合は、ピンセットなどで軽く触れて振動を与えるとアメンボが気付くことがあります。
代用エサ(緊急時や手に入らない場合)
- 乾燥エサ
乾燥アカムシや、細かく砕いた熱帯魚用の浮上性エサを試すことができます。
ただし、生きたエサほどの食いつきは期待できません。 - 注意点
エサの食べ残しは水質悪化の大きな原因となります。
数時間経って食べ残したエサは必ず取り除きましょう。
飼育の注意点とトラブルシューティング
アメンボの飼育で特に注意すべき点と、よくあるトラブルへの対処法です。
共食いと個体数
アメンボは他のアメンボの幼虫や、弱った個体を攻撃・捕食することがあります。
- 過密飼育を避ける
飼育容器の広さに対し、アメンボの数が多すぎるとストレスが増し、共食いのリスクが高まります。
冬越し(越冬)
アメンボは成虫の姿で冬を越します。
- 越冬環境
冬が近づいたら、水槽の中に枯れ葉や水草、乾燥した土などを入れ、気温の変化が少ない涼しい場所(玄関、物置など)に移します。冬の間はほとんど動きません。
繁殖への挑戦
適切な環境と豊富なエサがあれば、水草に産卵することもあります。
- 繁殖条件
比較的暖かく(20~25℃)、安定した水温と、質の良い水草(産卵床)が必要です。
幼虫は小さく、繊細なため、成虫とは別の容器で飼育する方が安全です。
まとめ:アメンボ飼育は「水面」の管理がカギ
アメンボの飼育は、適切な環境さえ整えれば、初心者でも十分に楽しむことができます。
成功の秘訣は、彼らの活動場所である「水面」を清潔で広く保つことです。
アメンボの優雅な動きや、獲物を捕らえる一瞬を見つめる時間は、私たちに自然の驚きと静かな癒やしを与えてくれます。


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