童謡でおなじみのケラ（オケラ）は、水陸空の「七つ芸」を持つ多才な昆虫ですが、その食性も非常にユニークです。
地中での生活がメインとなるケラは、一体何を食べて生きているのでしょうか？
また、ペットとしてケラを飼育する際には、どのようなエサを与えれば良いのでしょうか。
この記事では、「ケラのエサ」に焦点を当て、自然界での食性と、健康に飼育するための具体的なエサの種類と正しい与え方を解説します。
1. 自然界でのケラ（オケラ）の食性：究極の雑食性
ケラは、コオロギの仲間に分類される雑食性の昆虫です。
彼らは主に湿った土の中や、水田の周辺に張り巡らせたトンネルの中でエサを探し、生きています。
植物質の獲物（地中の根や種子）
地中生活をするケラにとって、最も身近なエサの一つが植物の根や種子です。
- 雑草の根や茎: 地面の下に伸びている草の根や、腐敗した植物の組織を好んで食べます。
- 作物の根: 農作物の根も食べるため、農家にとっては時に害虫と見なされることもあります。
- 種子: 落ちた種子なども重要なエネルギー源です。
動物質の獲物（ミミズや小昆虫）
ケラは肉食の側面も持っており、土中にいる動物性のエサも積極的に捕食します。
- ミミズ: 小型から中型のミミズは、ケラにとって貴重なタンパク源です。
- 小昆虫: アリの幼虫や、他の小型の昆虫、その死骸なども食べます。
✅ 知っておきたいポイント
ケラが地中で掘り進むトンネルは、エサを探すための通路であると同時に、他の小動物や昆虫を捕獲するための「トラップ」としての役割も果たしています。
2. 【飼育編】ケラが喜ぶエサの種類と与え方
ケラを健康的に飼育するためには、自然界と同様に動物質と植物質の両方をバランス良く与えることが大切です。
飼育で与えるべきエサ（動物質）
動物質のエサは、ケラの成長に必要な高タンパク質を補うために欠かせません。
| エサの例 | 与え方の注意点 |
| 煮干し（ニボシ） | 小さく砕いて与えます。手軽で栄養価が高い。 |
| 豚肉の赤身 | 腐りやすいため、1cm程度の小片にし、食べ残しはすぐに取り除きます。 |
| ミミズ・小昆虫 | 最も自然に近いエサですが、野生のものを与える際は寄生虫に注意。 |
| ペットフード | ドッグフードやキャットフード、金魚のエサ（高タンパクなもの）も代用可能です。 |
| 昆虫ゼリー | コオロギ用などの高タンパクなゼリーも適しています。 |
飼育で与えるべきエサ（植物質）
水分やビタミンを補給できる植物質のエサも重要です。
| エサの例 | 与え方の注意点 |
| 野菜 | キャベツ、ニンジン、キュウリ、レタスなどを小さく切って与えます。 |
| 果物 | リンゴなど。水分補給にもなりますが、腐敗に注意が必要です。 |
| 豆類 | 枝豆、落花生など。少量を与えます。 |
💡エサの乾燥対策と水分補給
ケラは乾燥に非常に弱い生き物です。エサとは別に、湿らせたミズゴケや土で水分を保つことが不可欠です。野菜や果物からも水分を摂取しますが、霧吹きなどで飼育ケース内の湿度を維持しましょう。
エサを与える頻度と場所
ケラはほとんどの時間を地中で過ごすため、エサは彼らがアクセスしやすい場所に設置します。
- エサを埋める
飼育ケースの壁際など、ケラが動きやすい場所に深さ3cm程度の穴を掘り、エサを埋めるように置きます。 - 小皿に入れる
肉など腐りやすい動物質のエサは、地面に直接置かず、小さなフタや小皿に乗せておくと、土が汚れるのを防げます。 - 与える頻度
毎日新しいエサに交換するか、少なくとも2～3日に一度は新鮮なものに替え、食べ残しは必ず取り除きましょう。
3. ケラのエサに関するQ&A
Q1. エサの好き嫌いはある？
ケラは基本的に雑食ですが、個体や種類によって好みが分かれることがあります。
同じエサばかりだと飽きてしまうこともあるため、動物質と植物質をローテーションして与えることが推奨されます。
Q2. エサを食べたかどうかの確認方法は？
ケラはエサを土の中に引きずり込んだり、食べかすをトンネルの中に残したりします。
- キャベツなどの葉に穴が開いている。
- 埋めたエサがなくなっている、または形が崩れている。
これらが、ケラが元気に活動し、食事をしているサインです。
土を掘り返すとストレスになるため、穴の開いた様子やトンネルの形を観察して確認しましょう。
Q3. 植物の根を食べるのは「害」になる？
自然界では、ケラは稲の根などを食べるため、農作物の害虫と見なされることがあります。
しかし、家庭で飼育する場合、上記のバランスの取れたエサを与えれば、飼育ケース内の植物を過度に食べることはありません。
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